「1つは、『なぜ自分だけが貧乏くじを引かなければいけないのか』と自分の不遇を嘆くタイプ、もう1つは、『この状況にも意味がある』と思えるタイプです。自分の力ではいかんともしがたい苦難に遭遇した時に、前者と後者のどちらを選択するのかは、自分自身が決めるしかありません。時間がかかっても後者を選択することができれば、人生に意味を持たせることができるのではないでしょうか」
強制収容所という極限状態を生き抜いたフランクルの“知恵”には、まだまだ学ぶべきところが多い。悩んだり、落ち込んだりしたら、あらためてこの名著をひもといてみてはいかがだろうか。
【プロフィール】舟木彩乃(ふなき・あやの)/ストレス・マネジメント研究者。10年以上にわたってカウンセラーとしてのべ8000人以上の相談に対応。現在、筑波大学大学院ヒューマン・ケア科学専攻(3年制博士課程/ストレス・マネジメント領域)に在籍。著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』。