ビジネス

平成に若者の生活全てを飲み込んだスマホ 機能集約の盲点も

スマホの普及であらゆる生活が便利になったが…

 平成の時代が間もなく終わりを告げようとしているが、平成30年間で日本人のライフスタイルをもっとも激変させたのが、携帯電話(スマートフォン)の普及だろう。神戸国際大学経済学部教授の中村智彦氏が、スマホ進化によって次々と飲み込まれたモノやビジネスを振り返る。

 * * *
 昨年末に放送され人気の高かったテレビドラマ「スーツ」。主演が織田裕二と鈴木保奈美ということで前評判も上々でした。2人が共演したのは、1991年(平成3年)の「東京ラブストーリー」以来のこととあって、「スーツ」放送前には、再放送もされました。

 さて、多くの人が驚いたのは、「東京ラブストーリー」のオープニングの場面。公衆電話がずらりと並んでいて、そこから出てくるテレホンカードが映っています。

 まだ、携帯電話は普及しておらず、自宅電話と公衆電話が主流の時代、なかなか連絡がつきにくく、すれ違いばかりの恋人たちの物語がテレビドラマでも人気を呼んだものでした。実際、40歳代以上の方の中には、暑い中、寒い中、公衆電話のボックスから恋人の家に電話をしたなどという思い出を持っている方も多いでしょう。

 NTT東日本や西日本が設置している公衆電話の数は、もっとも多かった1984年度には93万4903台もありました。「東京ラブストーリー」が放送された1991年には少し減って約83万台がありました。

 さらに、平成時代に入り、通信事業の民営化によって、第二電電と呼ばれる電話事業を行う新規参入企業がサービスを開始。1990年には、NTTの公衆電話より割安なことを売りにして、日本テレコム(現ソフトバンク)が東海道新幹線のホームなどに、日本高速通信(現KDDI)が高速道路のサービスエリアなどにそれぞれの公衆電話を設置しました。平成の初めは、電話というと固定電話と公衆電話だったのです。

 しかし、公衆電話その後、急速に姿を消していきます。第二電電系の公衆電話は、1999年(平成11年)に採算悪化を理由に十年間持たずに姿を消します。NTTの公衆電話も2009年には、約30万台と急減します。その後も減少傾向は止まらず、現在(2018年3月末時点)では15万7875台。平成初期の約6分の1にまで減少しています。街角から公衆電話の姿が消えてしまったという感覚も間違っていないと言えます。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン