アメリカに本社を置くモバイルデータ分析を行うApp Annie社の調査『モバイル市場年鑑 2019』によると、16~24歳のジェネレーションZの特徴として、「非ゲーム系アプリの利用時間やエンゲージ面が他世代より高く、生活のほぼ全ての側面でモバイルを利用」していると指摘しています。

 スマホを使ったショッピングアプリのセッション数(来店客数に相当)は、世界全体でこの2年間に65%増加し、日本でも2016年から2018年の2年間で95%増とほぼ2倍になっています。さらに、飲食物の出前を依頼するフードデリバリーアプリも、この2年間で45%増と伸びています。このように商店や飲食店もスマホに飲み込まれ、ネット通販の急伸は、百貨店や大手量販店などの経営を追い詰めつつあります。

 2018年に話題になったのは、「PayPay祭り」に代表される本格的なキャッシュレスの始まりでした。このキャッシュレスの動きは、スマホが金融をも飲み込み始めていることの表れになっています。

 2018年12月6日に長時間発生したソフトバンク系の通信障害は、多くの人を混乱に陥れました。昭和時代には、様々な機能が独立して存在していたものが、スマホに飲み込まれ、すべてが一か所に集約されている結果、「何もできない」という状況に陥ってしまったのです。

 電話やメールができないだけではなく、地図も、スケジュールも見ることができない。「ヤバい! 今夜飲み会なんだけど、どこに行ったらいいかわからん」「幹事に聞けばいいじゃん」「電話もかからんし…」という会話を、その日、電車の中で筆者も耳にしましたが、同じような状況になった人も多いでしょう。

 平成元年の携帯電話数は、わずか3万6000台。普及率は、わずか0.3%でした。平成3年でも1.1%。「東京ラブストーリー」に登場する若いリカとカンチが携帯電話を持っていないのは、当たり前だったのです。携帯電話が急速に普及するのは平成9年で約20%となります。平成8年以降、年率で10%ずつの急増を見せ、平成20年には50%を超します。そして、平成24年度末には100%を超しました。1人1台の時代になったのです。

 そして、今年はキャッシュレス時代が本格化する年とされています。キャッシュレスの進展によって、財布やキャッシュカードやクレジットカード、さらには身分証明書もが、より一層スマホに飲み込まれていくことになるでしょう。

 しかし、便利になる反面、プライバシー流出の懸念やソフトバンク系の通信障害事件に象徴されるような機能麻痺派生への懸念など、様々な問題が明らかになってくるでしょう。次にスマホに何が飲み込まれるのかを考えると、問題点も多く気づきますが、一方で新しいビジネスチャンスの到来ともいえます。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン