内服薬でも血糖値がコントロールできなくなった患者は、インスリンの自己注射が必要となり、治療費の負担はさらに重くなる。
「インスリンには、1日3回食事の直前に皮下に注射する『超速効型』や、1度注射すると効果が丸1日ほど持続する『持効型』などの種類があります。インスリンは薬価が1本2000~3000円ほどと高価なうえ、状態が悪ければ月に10本以上使う場合もあります。日頃から血糖管理に努め、そうした事態を未然に防ぐことが大切になってきます」(同前)
実際に糖尿病が進行し、持効型インスリンを投与する60歳男性が語る。
「内服薬を飲み続けていたのになかなか血糖値が改善せず、かかりつけ医に相談したら注射を薦められました。
注射代が月々2万円ほどかかるだけでなく、投与量を細かく調整するために1~2週間に1回通院しなければいけなくて、そのたびに診療費や検査料もかかる。この月々2万~3万円の出費が、夫婦で20万円程度の年金暮らしには大きく響く」
※週刊ポスト2019年2月15・22日号