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2019.02.23 16:00  週刊ポスト

【山内昌之氏書評】日本史の一大転換点となった承久の乱

 東国と違って頼朝に任命され関東から西国に下った守護たちは、在地の武士をまだ掌握しきれていなかった。東国武士の動員力と戦闘力にはかなわなかったのだ。著者に素朴な質問を二、三すると、膂力(りょりょく)衆にまさり、戦も厭わないほど敢闘精神も旺盛に見える後鳥羽上皇が何故に前線近くに本営を進め、錦旗もどきのシンボルを掲げて北条泰時らを威圧しなかったのかということだ。

 実際、『増鏡』には鎌倉を発った泰時が戻ってきて義時に院御出兵とあらば如何と尋ねる光景が出てくる。父は、武器を捨て降伏すべしと答えたというのだ。朝廷とはそうしたものでないという一般論はよく分かる。ただ、院出兵ありせばシミュレーションはどうだったのか、泰時がいくら降伏を説いても欲深い東国武士は認めないのではないか等々、本郷氏の明解な説明を聞いてみたかったのだ。

※週刊ポスト2019年3月1日号

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