「よしながふみさんも指摘していますが、日本の女性には性別、年齢、容姿、社会的地位など多様な縛りがあり、抑圧されているポイントが一人ひとり違います。BLはそれを解きほぐしてくれるオーダーメードのツボ押し器。凝っているところが人によって違うから、ツボの違う千差万別の関係性が描かれるのです」

 多くの女性が生きづらさを抱えるなかで、BLは純粋な喜びも与える。和歌山県在住の51才主婦が笑顔で語る。

「私たちが若い頃は、好きな人に年賀状を出すだけでドキドキしましたが、高校生の私の娘世代は、スマホのクリックひとつで『あけおめ』と多くの人に伝えられて、便利になった半面、それでいいのかと疑問もあります。でもBLで描かれるのは、好きな人と一緒にいる時に知り合いとすれ違うだけで、つないでいた手をサッと離すような、胸がキュンとする恋。そんな人間らしいトキメキを知ってほしくて、娘にはあえてBLチックな作品を勧めています」

 さまざまな抑圧や制約があるからこそ、人は好きになった相手との関係を何よりも大切にするのかもしれない。西さんが話す。

「人との純粋な恋愛やかかわり、恋の成就や失恋について、今の少女漫画では照れくさくて描けませんが、BLなら描くことができます。男の子と女の子がただ出会って恋をするという、初期の少女漫画が目指していた美しい理想が、純粋な形で今も残るものこそがBLです。だから多くの女性は、BLに心を揺さぶられるのでしょう」

 好きな人をただ愛する。そしてそんなふたりは対等―まさに理想の愛の形ではないだろうか。

※女性セブン2019年3月7日号

関連記事

トピックス

目黒蓮
《独占キャッチ》目黒蓮がミラノでのFENDIコレクション参加 帰国時もジャケットとスニーカーはきっちりFENDIの“アンバサダーの鑑”
女性セブン
ギヨーム皇太子とがっちり握手(2024年6月、東京・港区。写真/宮内庁提供)
悠仁さま、英語力は「コミュニケーションは問題なし」 ルクセンブルクの皇太子との夕食会は“通訳なし”、NHKの英語副音声で勉強か
女性セブン
25年以上も趣味で歌い続けたジャズのコンサートを昨年行った吉川美代子
長野智子アナはラジオ帯番組で“アップデート”、吉川美代子アナはいまもTBSの研修を担当【女性キャスターたちの現在地】
女性セブン
《ダンスがつなぐ笑顔の交流》佳子さま、「ドレミファダンスコンサート」を鑑賞 マツケンサンバにあわせてボンボンを振られる一幕も
《ダンスがつなぐ笑顔の交流》佳子さま、「ドレミファダンスコンサート」を鑑賞 マツケンサンバにあわせてボンボンを振られる一幕も
女性セブン
中尾彬さんの相続に関し、元妻が告白
【終活は万全に見えたが…】中尾彬さんに相続問題浮上 法定相続人である“元妻との息子”への連絡は一切なし、元妻が告白「怒っています」
Wエースの髙橋藍
バレーボール男子日本代表 石川祐希、高橋藍ほか注目選手たちの代表戦でしか見られないカット
女性セブン
ご出席がかなうかどうかはご体調次第(5月、栃木県塩谷郡。写真/JMPA)
雅子さまの訪英に主治医「極秘同行」か 全ての日程にご出席を果たして「完全復活」を証明するための“安心材料”に
女性セブン
大谷翔平の自宅暴露報道が波紋を呼んでいる(写真/Getty Images)
《出禁騒動》大谷翔平を激怒させたフジテレビ、『イット』や『めざまし8』で新居の所在を暴露 メジャー機構も調査開始か
女性セブン
空港で機内にチェックインする際、マスクを外して本人確認をする小室さん夫妻
《現地紙も報道》小室圭さんがNYの高級ホテルで行われた晩餐会に 参加者は日米財界を代表する団体、企業のトップや幹部ばかり
女性セブン
なぜ佳子さまを含む秋篠宮家について取り上げないのか(時事通信フォト)
佳子さまを取り上げない「宮内庁の公式インスタグラム」 今後の予定はあるのか?聞いてみた
週刊ポスト
性的暴行で逮捕された山縣秀彰容疑者(本人FBより)
《路上で性的暴行》逮捕の「都寿司」店主がわいせつ5日後に「ごちそうさま」SNSアップ 2年前の先代逝去から「人が変わった」
NEWSポストセブン
杉咲花
【ファッション上級者】杉咲花と若葉竜也「私生活はゆるふわシャカシャカ」お似合いカップルコーデ「実は超有名ブランド」
NEWSポストセブン