きのう何食べた?一覧

【きのう何食べた?】に関するニュースを集めたページです。

11月には映画も公開予定の『きのう何食べた?』(劇場版公式サイトより)
朝ドラ効果で再注目 西島秀俊・内野聖陽主演『きのう何食べた?』の魅力
 NHKで放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』に出演中の2人の俳優を見て、別の番組を思い出している人も少なくないようだ。同作に主要キャストとして出演する西島秀俊と内野聖陽は、2019年に放送されたドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)で、同性カップル役としてW主演を果たしている。 両作品とも脚本を安達奈緒子氏が手掛けていることもあり、朝ドラで2人の登場シーンが出てくると、SNSでは「シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)が……!!」「これは神回」と大きな盛り上がりを見せている。『きのう何食べた?』では、西島と内野が演じる「シロさん&ケンジ」コンビの心温まる日常が話題を呼び、ドラマ24枠シリーズ平均でタイムシフト視聴率が歴代最高を記録。また第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞や第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞を受賞するなど、作品としても高い評価を得ている。Netflixで見て自炊の楽しさを知った そんな同作が『おかえりモネ』放送に合わせて、再び注目を集めている。現在は、動画配信サービス「Netflix」で視聴可能で、リアルタイムでドラマを視聴していなかった新たなファンも増加しているようだ。Netflixがきっかけで、『きのう何食べた?』にハマったという女性・Aさん(30代)は、こう話す。「実家の母から『このドラマ素晴らしかったから、ぜひ見てちょうだい!』と連絡をもらい、何気なく見始めたのがハマったきっかけでした。1話目から魅了されてしまい、とくにシロさんがケンジを思って、栄養価を考えながらキッチンで料理をするシーンに胸を打たれた。やっぱり丁寧に料理をして、それを食べることが、心身ともに健康になる秘訣だよな、と改めて気付かされました。 私自身、都心部に住んでいることもあり、コロナ禍の感染リスクを控えるために外食を控え、自炊を続けてきたので、それが結構なストレスになっていた。とくに夏はキッチンに立つのもおっくうで、買い出しする気力もなくなっていた。 そんな状況から救ってくれたのが、『きのう何食べた?』でした。家にいる時間をストレスだと感じていたけれど、自炊を軸にして、自宅時間を楽しむことの素晴らしさを教えてくれた。シロさんが作る料理のレシピを真似して調理をするのが楽しいですし、栄養バランスも良くなりました。昨日は、ジルベールの純豆腐を作りました(笑い)」(Aさん)押し付けがましくない「問題提起」 Aさんがレシピを真似したという「ジルベール」とは、作中で“美少年・ジルベール”として登場する井上航(磯村勇斗)のことだ。ジルベールのファンだという女性・Bさん(20代/大学生)は、同作を「コロナ禍だからこそ見返したい作品」だと話す。「この作品は、シロさんとケンジのほか、山本耕史さん演じる小日向大策さんとジルベールなど、同性愛カップルが登場します。私は、大学でLGBTQに関する授業を受けたり、SNSでフェミニズムの論争が起こったりしているのを見ていて、これまで違和感を持っていました。『差別はダメだ!』と頭ごなしに押し付けられているような気がしていたんです。 私には同性愛者の知人も、トランスジェンダーの友人もいます。そこで普通に友達として接してきたので、あらためて『差別はダメ!多様性を大事に!』などと教育されることが、少し息苦しくて。もっと自然で良いのにと思っていました。 そんな中、友達に勧められて原作の『きのう何食べた?』を読んで。『これだ!』と腑に落ちました。そしてドラマもすべて視聴しましたが、本当に素晴らしくて……。作中にはたくさんの問題提起があるけれど、どれも押し付けがましくない。好きな人のためにご飯を作りたいと思う気持ちや、好きな人が作ってくれたご飯が美味しいという気持ちだけで十分だなと。オンライン授業で疲れたときに、Netflixでこのドラマを観て癒されています」(Bさん) 今年11月3日には『劇場版 きのう何食べた?』が公開予定で、主題歌はスピッツが手がけ、映画オリジナルキャラクターとしてジャニーズの人気グループ、SixTONES(ストーンズ)の松村北斗が出演することも発表されている。朝ドラを機に同作を知った新しいファンも、映画公開を心待ちにしているようだ。
2021.09.01 16:00
NEWSポストセブン
『おっさんずラブ』に共演した2人(時事通信フォト)
男性同士の恋愛描く「BL」作品がメジャー化した理由
『おっさんずラブ』、『きのう何食べた?』等のヒットで、男性キャラクター同士の恋愛模様を描いたボーイズラブ(以下、BL)漫画の実写化作品が注目されている。かつてはコアなファン向けとされていたジャンルが、なぜ今、メジャーへと躍り出たのか。中学時代から20年近くの“腐女子(BL作品を好む女性のこと)”歴がある、エンタメライターの原田イチボ氏が解説する。 * * * BL漫画が実写化された例は過去にも存在するが、ほんの数年前までは、いわゆる腐女子という一部の層に向けたジャンルという印象が強かった。しかし、近年は地上波テレビや、シネコンで全国公開される規模の映画にまでBL実写化が進出している。 丸木戸マキによる人気BL漫画『ポルノグラファー』は、BL界初の連続ドラマとして、2018年8月よりフジテレビにて深夜放送された。竹財輝之助と猪塚健太が演じる小説家と大学生のラブストーリーは注目を集め、フジテレビ公式動画配信サービスFODで史上最速の100万回再生を達成。続編が制作されただけでなく、なんと2021年春には映画『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』の公開も決定した。 また、9月11日より公開中の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』も、水城せとなによるBL漫画が原作だ。本作を鑑賞してみて、ジャニーズ事務所所属の現役アイドルである大倉忠義が、相手役の成田凌と共にかなり濃厚なラブシーンを演じたことに驚いた人も多いだろう。 同映画でメガホンを取るのは、『GO』や『世界の中心で、愛をさけぶ』などの作品で知られ、日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した経験もある行定勲監督だ。これまで実写BL映画は、まだキャリアの浅いスタッフとキャストによって制作されることが多かったが、『窮鼠はチーズの夢を見る』は、スタッフ・キャストの豪華さ、そして全国のシネコンという公開規模の大きさでもBL実写史上に名を残す作品となった。 さらに10月8日からは、ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)がスタートする。累計80万部を突破した人気BL漫画(作・豊田悠)が原作で、モデルで俳優の赤楚衛二と、劇団EXILEの町田啓太がサラリーマン同士のピュアな恋模様を演じる。ポップなテイストのラブコメであるぶん、これまでBL作品に触れたことのない視聴者にも受け入られやすい作品と言えるかもしれない。 なぜ実写BLがこれだけ増えたのか? やはり2018年に放送された『おっさんずラブ』(テレビ朝日)の大ヒットは無視できない。あれだけ大勢の視聴者が男性同士の恋愛模様に夢中になったという事実は、業界関係者にとっても発見だったのではないだろうか。こちらの作品はオリジナル脚本によるものだが、テレビ業界、映画業界がBLというジャンル自体に目を向けるきっかけを作ったように感じる。 2019年に放送された、『きのう何食べた?』(テレビ東京)も深夜ドラマとしては異例のヒットを記録した。『おっさんずラブ』、『ポルノグラファー』、『きのう何食べた?』と良い流れが生まれ、いずれは「BL漫画の実写化が増えてきた」どころか「BL漫画の実写化がブーム」と言える状況が来そうだ。 ところで、『きのう何食べた?』と同じよしながふみ原作のドラマ『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』(フジテレビ)が2001年に放送されたときのことを思い出したい。もともと原作漫画からして男性同士の恋愛が主題の作品ではないとはいえ、ドラマ版では登場人物のゲイという設定がほとんど消えていた。 当時から比べると、男女のラブストーリーと同じように、男性同士のラブストーリーにもときめくことができる人が増えた現在は、「良い時代になった」としみじみ感じさせられる。
2020.10.04 16:00
NEWSポストセブン
読書が子供達を成長させる(写真/アフロ)
いま子供が読むべき本 児童文学評論家・赤木かん子氏が選ぶ
 新型コロナウイルスの感染拡大により休校となった学校再開に向けて動き出した地域もあるが、予断を許さない状況に変わりはなく、都市部では休校が続いている。 しかし、“おうち時間”こそが、読書によって多くの学びを得る絶好の機会でもあるはず。思い出してほしい。子供の頃、時間を忘れて朝まで本を読みふけったときのことを。本で知ったことをすぐ誰かに話したくて、自分もやってみたくって、将来の夢につながったりもした。“学ぶ”とは、机上で筆を走らせることだけではないはず──。 そこで、いまこそ子供に読んでほしい本の選び方を、児童文学評論家の赤木かん子さんに聞いた。【プロフィール】児童文学評論家 赤木かん子/作家、子どもの本研究家。学校の図書館プロデューサーとしても全国で活躍。◆好きな本の“繰り返し読み”が理解を深める 子供には、特有の本の読み方があると話す赤木さん。「“優れた本”を選んで読ませるのはおすすめしません。本人が読みたいと思ったものを読ませてあげて。“つまらない”を知らないと、“面白い”もわかりません。一見、無駄に思えることが必要なことなのです。子供は、時間がたっぷりあるのですから」(赤木さん・以下同) 赤木さんのもとには、「子供が同じ本ばかり読む」という相談がよく寄せられるそうだが、それも問題ないという。「むしろそれは、とてもいいことです。音楽でも気に入った曲は何度も聴きたくなるし、聴くたびに理解が深まります。本も同じで、2度、3度と読むたびに新しい発見や喜びがあり、細部まで理解が深まります。繰り返し読むのは読解力を身につける最上のやり方の1つなんです」 また、0才から小学校低学年におすすめなのは図鑑だ。「9才までは脳を耕す時期。1冊の本を読むためには、その本にある8割の言葉をすでに知っていないと歯が立ちません。ですから、多くの単語を習得できる絵や写真がたくさんある図鑑がいい。そして図鑑を読むうちに、子供はたくさんの言葉と知識を吸収する。その過程が大事です。 それと、小学生になっても読み聞かせはしてあげてください。自分で読むよりもレベルが上の本が読めるからです」 赤木さんのおすすめは、『地球博物学大図鑑』。1万円超と高額だが、アメリカにある世界最大規模のスミソニアン国立自然史博物館の開館100周年記念出版本で、収録物にお気に入りが見つかる、一生ものと太鼓判。『元素図鑑 宇宙は92この元素でできている』は科学が苦手な子供にもわかりやすい文章で、実験コラムは自由研究向きという。◆中学年は社会性を学ぶ 高学年は長編や漫画を「中学年になると感情を司る前頭葉が発達し、女の子はロマンスや友情もの、男の子は戦国ものといった、社会性のあるものに興味が移ります」 小学校高学年から中学生には、漫画作品もおすすめだ。「イチ押しは『3月のライオン』(白泉社、羽海野チカ)。幼い頃に家族を失い、夢も居場所もなくなった少年が必死で生きていく物語です。『ミステリと言う勿れ』(小学館、田村由美)は論理的な思考が学べます」(赤木さん)『見えない子どもたち~LGBTと向き合う親子~』(秋田書店、河崎芽衣)、などのLGBTQを学べる本もおすすめだという。活字では難しい場面も、絵があることで内容や心の内を理解する助けとなり、わかりやすくなるからだ。【赤木かん子さんがおすすめする3冊】『地球博物学大図鑑』東京書籍/スミソニアン協会(監修)、デイヴィッド・バーニー(編集)「岩石や化石、動物、植物など地球上の生命が5000種以上収録。情報量が圧倒的で、きっと好きなものが見つかるでしょう」『元素図鑑 宇宙は92この元素でできている』主婦の友社/エイドリアン・ディングル(著)、若林 文高(監修)「説明や例えが見事。人間も太陽も木も携帯電話も、あらゆるものが92の元素からできていることがわかります」『でっかいでっかいモヤモヤ袋』そうえん社/ヴァージニア・アイアンサイド(著)、 フランク・ロジャース(イラスト)「不安や疑問を近所のおばあちゃんと一緒に整理。優しくハウツーを教えてくれる物語仕立てで、読む人自身も、モヤモヤ袋を抱えていたことに気づく【こんな本もおすすめ!】以下はすべてコミックス。『弟の夫』(双葉社/田亀源五郎)、『きのう何食べた?』(講談社/よしながふみ)はLGBTQの理解が深まる作品。『花もて語れ』(小学館/片山ユキヲ)は「朗読マンガ。読解のメソッド、朗読の本質が明らかに。国語の授業で音読が楽しくなります」。※女性セブン2020年6月4日号
2020.05.21 16:00
女性セブン
野木亜紀子さん脚本で話題の『コタキ兄弟と四苦八苦』(公式HPより)
人気脚本家が深夜帯へ 刑事、医療モノ増えた連ドラと一線画す
 かつての連続ドラマは、誰もが名前を知る人気脚本家の作品が目立っていた。しかし、最近、そうした傾向に異変が見られる。ゴールデン・プライムの時間帯ではなく、深夜枠で作品を手掛ける人気脚本家が増えているのだ。いったいなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。 * * * ゴールデン(19~22時)、プライム(19~23時)帯に放送される16作のうち、医療モノが6作、刑事モノで6作が放送されるなど、これまでにないほどジャンルの偏りが見られる冬ドラマ。その中で異彩を放ち、ネット上でジワジワと注目度を上げているのが、金曜深夜に放送されている『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)です。 同作は、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)、『アンナチュラル』(TBS系)などのヒット作を手がけ、「今最も旬の脚本家」と言われる野木亜紀子さんのオリジナル作品。「なぜ人気絶頂の脚本家がテレビ東京の深夜ドラマを書くのか?」と、ドラマ好きの人々を中心に話題を集めているのです。 しかし、人気脚本家がゴールデン・プライム帯と比べて視聴者の少ない深夜ドラマを手掛けるのは今冬だけではありません。野木さん以外の人気脚本家たちにも、ゴールデン・プライム離れが見られるのです。◆各局が人気脚本家を深夜帯に招いている 昨年を振り返ってみると、『ごちそうさん』『おんな城主 直虎』(NHK)、『JIN-仁-』『とんび』『天皇の料理番』(TBS系)などを手がけた森下佳子さんは、7月期土曜深夜の『だから私は推しました』(NHK)。『ちゅらさん』『ひよっこ』(NHK)、『ビーチボーイズ』『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)、『泣くな、はらちゃん』(日本テレビ系)などを手がけた岡田惠和さんは、7月期金曜深夜の『セミオトコ』(テレビ朝日系)。 もともと深夜を主戦場にしていたものの、近年は『スーパーサラリーマン左江内氏』『今日から俺は!!』(日本テレビ系)とゴールデン・プライムの作品が続いた福田雄一さんは、不定期土曜深夜の『聖☆おにいさん』(NHK)、10月期金曜深夜の『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)。『101回目のプロポーズ』『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)、『高校教師』『未成年』(TBS系)などで一世を風靡した野島伸司さんは、2013年から主戦場を深夜帯と動画配信サービスに移し、昨年も『百合だのかんだの』(FODで配信後フジテレビ系の深夜帯で放送)を手がけました。 また、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)、『透明なゆりかご』(NHK)などで「業界内の評価はトップクラス」と言われる安達奈緒子さんは、昨年ゴールデン・プライム帯の『サギデカ』(NHK)、『G線上のあなたと私』(TBS系)だけでなく、深夜帯の『きのう何食べた?』(テレビ東京系)も手がけました。 野木さんはテレビ東京系、森下さんはNHK、岡田さんはテレビ朝日系、福田さんはNHKとテレビ朝日系、野島さんはフジテレビ系、安達さんはテレビ東京系と、「各局が深夜帯に人気脚本家を招いている」という事実も見逃せません。 さらに、その他の人気脚本家にも、深夜帯どころかテレビの連ドラそのものから距離を取っている人が少なくありません。『Mother』『Woman』(日本テレビ系)、『最高の離婚』(フジテレビ系)、『カルテット』(TBS系)などを手がけた坂元裕二さんは8クール、『リーガルハイ』『デート~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系)、『鈴木先生』(テレビ東京系)などを手がけた古沢良太さんは7クール、『ロングバケーション』(フジテレビ系)、『ビューティフルライフ』『オレンジデイズ』(TBS系)、『半分、青い。』(NHK)などを手がけた北川悦吏子さんは6クール、『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)、『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』『dele』(テレビ朝日系)、『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)などを手がけた金城一紀さんも6クール、テレビの連ドラから遠ざかっています。 視聴者と業界人の両方に多くのファンを持つ人気脚本家たちは、なぜゴールデン・プライム帯はおろか、テレビの連ドラから距離を置いているのでしょうか。◆視聴率、表現の制約、質をめぐる思惑 録画機器の発達とネット視聴の浸透によって、ドラマはリアルタイムでテレビ視聴してもらうことが難しくなりました。しかし、ゴールデン・プライム帯は現在でもリアルタイムでテレビ視聴してもらい、視聴率獲得することが最重要視され、そのためのドラマが企画・制作されています。 だから冒頭に挙げたように、見やすさを重視した一話完結型の医療モノや刑事モノが増えました。また、企画を通すためには、「視聴率が獲得できるか?」という基準をクリアしなければいけないため、もともとファンの多い人気原作の実写化が選ばれがちです。 しかし、基本的に人気脚本家たちが書きたいのはオリジナルであり、しかもその大半は医療や刑事ではありません。実際、前述した『コタキ兄弟と四苦八苦』、『だから私は推しました』、『セミオトコ』、『時効警察はじめました』、『百合だのかんだの』はオリジナルであり、作品ジャンルも世界観もバラバラです。 ゆえにドラマのプロデューサーたちは、視聴率獲得が絶対視されるゴールデン・プライム帯の作品に人気脚本家を起用しづらいところがあり、「深夜帯に伸び伸びと書いてもらおう」という形が増えているのです。 人気脚本家たちにとっても、深夜帯なら低視聴率報道に悩まされることも、「脚本がひどい」などのバッシングを受けることも少なく、表現の制約もゴールデン・プライム帯ほど多くありません。自分の書きたいものや、質の高さを追求することに専念できるため、「むしろ深夜帯のほうがいい」という人が増えました。 また、それでも不自由さを感じてしまう脚本家は、「テレビの連ドラから少し距離を取り、単発ドラマ、映画、舞台などを手がけながら様子を見ている」ようなのです。◆動画配信サービスとの連動で収益アップ その他の側面として挙げておきたいのは、深夜ドラマが動画配信サービスと連携することによって、以前よりもお金を稼げるようになっていること。このところParavi、FOD、Huluなどで配信したのちに地上波の深夜帯で放送される作品が増えているように、「深夜ドラマでもネットかテレビのどちらかで見てもらえるなどチャンスが広がった」「評判がよければ世界中の人々に見てもらえる」という理由から、人気脚本家にとってもやりがいのある場になっているのです。 一方、大石静さん、遊川和彦さん、井上由美子さんは、依然としてゴールデン・プライム帯の作品を手がけ続けていますが、ここ数年でささやかれているのが作風の変化。オリジナルを手がける技術と意欲はさすがである反面、視聴率獲得に向けたシンプルな作品に徹することもあり、ドラマ好きの間では「柔軟に変えられるのは凄い」「以前に比べると物足りない」と賛否が分かれているのです。 どちらが正しいというわけではありませんが、現在の視聴率という評価指標が変わらない限り、「人気や実力のある脚本家ほど深夜帯に移る、テレビの連ドラから距離を取る」という傾向は進む一方でしょう。やはり、テレビ局とプロデューサーたちが変わらなければ、ドラマの質や多様性を保っていくことは難しそうです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.01.18 07:00
NEWSポストセブン
田中圭、西島秀俊らイケメンがシチューや鍋CMに起用続く理由
田中圭、西島秀俊らイケメンがシチューや鍋CMに起用続く理由
 イケメンたちは”あったか料理”がよく似合う。今シーズン、シチューや鍋のCMにイケメン俳優が相次いで起用されているのだ。その理由とは? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 秋深し。テレビの世界もすっかり秋冬仕様になっているが、今シーズンに目立つのは、「あったか料理CM」で二枚目俳優たちが激突していることだ。 たとえば、シチュー。エスビーの「濃いシチュー」シリーズのキャラクターは、西島秀俊。雪が降る中、山小屋に薪を抱えて入ろうとすると、「ラクレットチーズ」と「純生クリーム」ふたつの商品を手にした後輩(伊藤淳史)に、「人生は選択の連続だと思うんです」とどっちの味がいいかと迫られる。 一方、ハウス食品の「北海道シチュー」は、山小屋にいる松坂桃李のところに荷物を持った彼女が「来ちゃった」とやってくる。一瞬、「なんで」と戸惑う(そりゃそうだ)桃李だが、「食べよか」とあたたかいシチューをふるまうのである。濃いシチューが男同士で人生を語れば、北海道シチューはラブストーリー仕立てでアピール。西島はドラマ『きのう何食べた?』で料理が得意なイメージができて一歩リードかと思ったが、松坂にはユーミンのBGMという強力な助っ人がいてシーンを盛り上げる。どちらも山小屋が舞台というのも面白い。夏のカレーは海。冬のシチューは山小屋なのである。 また、鍋関係も熱い。元気がいいのがエバラ食品「プチッと鍋」の瀬戸康史。「ちっちゃいのがポンと出てきて鍋になる~」と「1プチっと一人前」を合言葉に、手のひらにおさまるポーション容器から鍋の素を入れ、ひとりキムチ鍋をぐつぐつやったり、3人集まって3プチっとしてまたぐつぐつ。ミツカン「旬発見!キムチ鍋つゆ」は、高橋一生が鮭を使ってキムチ鍋を作って、妻や子供たちと堪能する。「鮭の甘みがきわだつ」とうれしそうだ。 さらに味の素「鍋キューブ」では、パーカを羽織った田中圭が「濃厚白湯」「うま辛キムチ」を手に「うわ、どっちだ。迷うなコレ」と言いつつ、両方をフーフーパクパクして「ダブルうめ~!」と叫んでいる。 これらのCMを観てつくづく感じるのは、「日本人は誰かが美味しく食べる姿を観るのが好き」ということだ。日本のテレビは、とにかく何かを食べている場面が多い。ドラマでは登場人物の食事シーンが欠かせないし、情報番組やお散歩番組では各地名物のグルメを紹介、夕方のニュースでもデパ地下の裏側やらB級グルメなどを特集する。 食レポという言葉もすっかり定着した。これほど食の場面が増えた理由は、殺伐した話も多い中で、「美味しい」というもっとも身近で共感を呼ぶ幸せをテレビに映し出せるからだろう。 商品のイメージアップと購買に直結するCMでは、その幸せな顔をいい男たちが見せる。解放感のある夏はアイスのCMなどでアイドルも走り回るが、冬場に自宅でじっくり味わうあったか料理CMは、おとな世代が担当する。家族や仲間がいるのもポイントだ。愛され男たちが「うめ~」と喜んだり、「ハイ、食べてみて」と鍋を差し出す姿を観る季節。令和最初の冬は、そんなイメージになったのである。
2019.10.25 16:00
NEWSポストセブン
2年ぶりに大門未知子を演じる米倉(時事通信フォト)
1本1億円? 各局看板ドラマの制作費、果たしてペイするか
 新しい連ドラが続々とスタートする10月。桁はずれの「制作費」が話題だ。「キー局のドラマ制作費は1本2000万~3000万円が相場ですが、ドラマ不調の中で、最近はかなり抑え気味。にもかかわらず、米倉涼子さん(44才)主演の『ドクターX』(テレビ朝日系)と木村拓哉さん(46才)主演の『グランメゾン東京』(TBS系)はともに『制作費は1話1億円』と報じられました。局の威信をかけた看板作ですが、それにしても大勝負ですよ」(テレビ局関係者) まずは米倉が“失敗しない”フリーランスの医師・大門未知子を演じ、人気のシリーズ6作目となる『ドクターX』。「さすがに全話1億円はありません(笑い)。ただ視聴率20%超えを見込めるので他作品に比べれば断然制作費をつけやすい。初回など特別な回の制作費は確かに1億円に近いでしょう。 このドラマはリアリティー重視ですべて本物の医療機器を使い、美術協力は40社以上。使用する機器の中には1台1億円以上する精密機器もあり、取り扱いに大勢の専門スタッフが必要で、とにかくコストがかかる。撮影時にはズラリと関係者が並び、その人数は普通のドラマの比じゃありません」(テレ朝関係者) こだわりのロケ場所にも高額の制作費がかかる。「今作の『ドクターX』の初回は同じテレ朝の『ポツンと一軒家』をオマージュし、山奥の一軒家でクランクイン。主演の米倉さんだけでなく、市村正親さん(70才)や武田真治さん(46才)らメイン出演者のかたたちが登場する場面だったので、スタッフ総出の移動費にはじまり、ヘアメイクやケータリングなどかなり費用がかかりました」(前出・テレ朝関係者) 木村拓哉がフランス料理の天才シェフを演じる『グランメゾン東京』も“破格”の扱いだ。「初回の撮影では仏・パリでも予約が取れず、撮影NGで知られる3つ星レストラン『ランブロワジー』を貸し切りにしました」(制作スタッフ) これにはドラマ百戦錬磨の木村が、「連続ドラマの1シチュエーションでここまで時間と費用を割いてモノを作るって本当に久しぶり」とコメントしたほど。 もちろん両ドラマとも気になるのは「人件費」だ。「一般的に出演者へのギャラは制作費の4割を占めるといわれています。この2つのドラマは米倉さんや木村さんをはじめ芸能界を代表するトップ俳優が多く出演しているだけにギャラの総額が上がるのも当然です」(前出・テレビ局関係者) ただし1億円かけたからといって視聴率が見込めるとは限らない。「最近はテレビ離れが進み各局とも厳しい状況ですが、1話1億円のドラマなら平均、視聴率が18%ないと採算が取れないといわれています。例えばNHKの大河ドラマは1話の制作費が現代劇で6000万円、衣装やセットにコストがかかる時代劇で1億円とされています。今年の『いだてん』は現代劇で制作費はカットされたものの、視聴率は大河史上最低。制作費に見合った数字とは言えず、業界評価は低い。 一方で『緊急取調室』や『科捜研の女』(ともにテレビ朝日系)といった名作シリーズなど、あまりロケがなく、セットが変わらないのに視聴率が2ケタの作品は業界評価が高くなります」(前出・テレビ局関係者) ただし、今後は視聴率という「モノサシ」も変わりそうだ。「これまではリアルタイム視聴率のみが重要視されましたが、今後は録画再生を示すタイムシフト視聴率や視聴者が見たい番組を個別に選ぶオンデマンド視聴も大切になります。実際、制作費の少ない『きのう何食べた?』(テレビ東京系)は視聴率3%ほどでしたが、オンデマンド視聴が多く、採算が取れた。この先はこうしたコスパに優れたドラマが増えるでしょうね」(前出・テレビ局関係者) だからこそ、惜しみなく制作費がつぎ込まれた骨太の大作が楽しみでもある。木村と米倉の好演に期待したい。※女性セブン2019年10月17日号
2019.10.03 16:00
女性セブン
美しすぎる木村文乃の「肉体派熱血刑事」 体当たり演技の見所
美しすぎる木村文乃の「肉体派熱血刑事」 体当たり演技の見所
 視聴者が持つイメージを良い方向に裏切る芝居ができるか。役者の技量が問われるところである。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * * これまでの刑事ドラマの印象と、何かが違う。『サギデカ』(NHK総合土曜21時)のゾクリとくる不思議な魅力はどこから発しているのでしょうか? 主人公は……がむしゃらかつ綿密な捜査をする女性刑事・今宮夏蓮(木村文乃)。バイクを走らせ犯人をどこまでも追い詰める肉体派で情熱派。その今宮が「振り込め詐欺」グループの頂上に立つ黒幕へ、一歩ずつ迫っていくという物語。 刑事ドラマの王道は、被害を受けた側に力点が置かれ、犯人を追い詰める刑事の視点で描かれていく。ところがこのドラマはそれだけに留まらない「複数の視点」があります。 例えば、振り込め詐欺の「加害者側」の生い立ちに踏み込む。両親が不在という過酷な環境で育った苦労、「高齢者から金を取ることは富の再分配だ」という主張、そして犯罪を成功させた時の達成感まで描く。 一方で、大金を取られた「被害者側」が家族にその甘さを責められる姿も。そして、犯人を追い詰める刑事自身も、暗い過去を背負っていそうです。 つまり、単純に「正義と悪」といった二項対立ではなくそれぞれが問題を抱えていて、影を落としている。だからこそ、他人の弱さに共感もできるし人間の心理を理解できる。さすが『透明なゆりかご』『きのう何食べた?』の脚本担当・安達奈緒子さんのオリジナル作品だけに、単純化されない奥行き感があり、見応えがあります。さらに、特殊詐欺の現場取材を重ねてきた複数のスタッフが制作に協力しているため、非常にリアル。 第1話では400万円を騙し取られた三島悦子(泉ピン子)が、息子にその甘さを責められ自殺未遂してしまう。大金をとられたことより、もしかしたら悲劇的ではないかとさえ感じます。しかしこうした後日談はニュース報道を見ているだけでは伝わってこないこと。 第2話では認知症の元高校教師(伊東四朗)北村の演技に驚かされました。目の動き、足の運び方、背中の丸め方。怒る表情、叫ぶ姿。じっくり現実を観察した上での役作りであることが、ヒシヒシと伝わってくるのです。「認知症」と言ってもすべての記憶をなくしてしまうケースは少なくて、自尊心もあり、記憶も部分的にはっきりしている。だからこそ本人は不安にかられ、自分が情けなくなり、自信を喪失してしまう。そんな時、「あなたがいてくれてよかった」と感謝されたら? 「自分は必要とされている」と思うといかに嬉しいか。 詐欺師はそうした老人の心理を知り尽くし、巧みに心の隙間を突いてくる。ドラマの中では北村が偽の教え子に助けを求められ感謝されとうとう地面師詐欺の片棒を担がされてしまう。「自分が求められている」ことに心酔していく老人の姿に見入ってしまいました。 犯罪をする側はどんな動機で、いかなる訓練を受け、完成度の高い「劇場型詐欺」をやりとげるのか。詐欺犯には詐欺犯なりの「理由」「工夫」「苦労」「達成感」がある。一方の被害者には被害者なりの「家族を思う気持ち」「親の愛」「孤独」「絶望」がある。そうした複数の要素が絡み合った結果の悲劇として「特殊詐欺」が生まれてくる、ということが、ドラマを通して見えてきます。 昨今の特殊詐欺の内実はこうも時代性が反映されていて複雑なのか、と驚く人も多いはず。報道以上に、ドラマという形式が効果的に伝えることができるテーマかもしれません。 と、リアリティに溢れる作品ですが一つだけ「ファンタジーな点」を挙げるとすれば、刑事・今宮夏蓮の存在でしょう。演じている木村文乃さんがあまりに美しく華奢すぎてバイクをころがす肉体派熱血刑事には、なかなか見えてこない。その分、思い切って体当たり演技をしていて気迫で刑事になりきろうとしている。違和感を乗り越えようという格闘は好印象です。それも含めてドラマの一つの見所とも言えるでしょう。 今後の展開は老人相手の詐欺のみならずバイオベンチャー、仮想通貨、投資詐欺等々、さまざまな現代的要素が絡んできそうです。次々に発生する新たな事件を視聴者が立体的に学べて、犯罪予防の教育にさえなりうる新手のドラマ。現実の「複雑さ」は決してマイナスにはならず、プラスに作用するでしょう。「スマホに目を向ける一回分を人に目を向ける行為に変えていきたい。そんな思いでこのドラマを演出しました」と演出担当・西谷真一氏は語っています。その言葉が印象的です。
2019.09.14 16:00
NEWSポストセブン
番組公式HPより
杉野遥亮『スカム』が挑む「詐欺に染まる若者のリアル」
 社会派ドラマが“刺さる”時代だ。問題提起のありようは、ヒットか否かを分けるポイントにもなっている。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がレポートする。 * * * 知りあいの若者が「日経225先物取引で誰でも勝てるツール」のデータが入ったUSBを、何と「50万円」という大金で買わされてしまいました。実は首都圏の大学生や若い人たちの間で蔓延している、商材売りつけトラブル事例の一つらしい。USBを友達に売れば5万円入るという悪質なマルチまがいのようで、学生ローンによる多額の借金だけ残った人も多いというのです。 いったいなぜ、そんなものにひっかかってしまったのか。当人に話を聞いてみると、彼の口から出てくるのは不安ばかり。「コツコツ真面目に働いても10万円代の給料しかもらえない」「将来が不安」「金がなければどうにもならない」「一気に稼ぐ方法がないか」。 特に最後の一言が印象的でした。「今、安倍首相が副業するように言っているの、あれ本当ですよね?」 国までが副業を推奨する時代。だから、先物取引を副業にと思ったらしい。 社会経験の少ない20代の若造が、大金を借り株の先物取引で利益を上げる? その思考の飛躍に驚かされますが、まさしくこれが今の社会の現実の断片です。 経済的に苦しく未来に夢がなく、少しでもラクして「勝ち組」になりたいと短絡的な願望を抱きドツボにはまる──そんな構図が透けて見えてきました。 今週スタートした杉野遥亮主演『スカム』(TBS火曜深夜1時28分・MBS日曜深夜0時50分)は、その意味でまさに時宜を得た社会派ドラマです。 若い世代の経済的焦燥感を映す鏡のようであり、中年視聴者にとっては新手の犯罪の内実を詳細に知るという意味で好奇心が刺激されますし、自分の子供世代が抱える危機感も見えてくる。 一方、犯罪集団のターゲットとなっているリッチ高齢者層の視聴者は、犯罪の手口がわかり生活防衛手段にもなりうるという、実にスリリングでヒリヒリする作品に仕上がっています。 原作はルポライター鈴木大介著による『老人喰い』(ちくま新書)。なるほど、この迫力は現場取材から来ているのか。詐欺に走る若者の実態を克明に取材したルポだけに、ドラマの中身も詳細でリアル。そしてどこか滑稽。現実とは、そういうものかもしれません。特に犯人たちが複数の役を演じ電話口で相手を騙す「寸劇」詐欺など、ドラマ内ドラマとして浮き上がるあたり絶妙です。 それにしても原作の『老人喰い』というタイトルはエグイ。「貯金が2000万円もある高齢者から200万円をいただいて何が悪い」という理屈。リッチな高齢者を敵視することがエネルギーとなっている若い世代。老人たちを呪う社会の陰鬱。いくら説教して「詐欺は良くない」と正論を吐いても、空しく思えてくるほど。これまで紋切り型で捉えていた「振り込め詐欺」のさらに深層部分、犯罪を下支えしている末端の若者たちの姿が立ち上がってきます。 詐欺という手段で若い世代が「老人を食う」現実は、しかし視点を変えれば、安い金で若者を使い倒し非正規雇用という不安に閉じ込め、未来と夢とを食っている「若者喰い」社会ではないのか、という指摘も耳に入りました。そんなことをドラマを見ながら深く考えさせられてしまいます。 かつて「社会派ドラマ」といえば硬派で真面目、シリアスなタッチで描かれる作品が多かった。正義と悪が比較的はっきりと区分けされ、見る方も問題に関心のある人という傾向性がありました。 しかし昨今は変化の兆しが見えます。社会派ドラマに新たな胎動、新たな潮流が生まれつつある予感がします。例えば「働き方」をテーマにした『わたし定時で帰ります』、「ゲイカップル」を描いた『きのう何食べた?』は共に広く人気を博しました。テーマ性はしっかりとブレずに据えてあり、しかし見やすく物語に自然に入っていける。現実を捉え丁寧に細部が描かれているからこそ、説得力がありドラマを見た後に考えさせられる仕上がりで、視聴者に深く突き刺さっていきました。 ドラマは問題提起する。しかし善悪の判断や結論は簡単には決められないから視聴者一人一人が考えていく。 また、吉高由里子や向井理、西島秀俊、内野聖陽といったいわばメジャーな俳優たちが、がっぷりと「ブラック企業」「ゲイ」といったテーマに向き合ったことも、作品の間口を広げテーマについて考えたことのなかった視聴者をも引っ張り込む力となりました。 さて、今回の『スカム』で主役を張る杉野さんは『新しい王様』『ミストレス』など話題作へ出演が続いている新進気鋭の役者です。今どきの不安な若い世代が詐欺集団へと染まっていく生々しいプロセスをいかにリアルに描き出してくれるか。期待し注目しています。
2019.07.06 16:00
NEWSポストセブン
2LDKで男2人暮らし(番組公式HPより)
大団円『きのう何食べた?』が教えてくれた究極の真実
 視聴者をポジティブに裏切った作品としては今季ナンバーワンといえるかもしれない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * * ネットは「シロケン」ロス一色。昨日深夜に終わった『きのう何食べた?』(テレビ東京系)。つい語りたくなる内容満載のドラマが、とうとう幕を閉じてしまいました。 制作サイドの想定を大きく超え、このドラマは「善循環の方程式」が成り立ったという希有な事例かもしれません。その善循環とは……。 ゲイカップルというテーマ性や配役が話題になる→多方面から注目→主役2人が力を発揮→その刺激が他の役者たちにも波及しさらに輝く→評判が上がる→話題になる……という巡りのことです。 西島秀俊(シロさん)と内野聖陽(ケンジ)、まず2人の主役の力がいかに大きかったか。ドラマが始まった直後、当コラムでは2人の素晴らしさについて触れたのですが、それ以外にも賞賛すべき点があちこちにありました。 例えば「ゲイ」と一口で言っても、それぞれに個性はあるはず。セクシャリティでは括れない一人一人のキャラクターが粒立ち、違いをくっきりと浮かび上がらせた演出力と役者力。まるで人物図鑑を見ているような楽しさでした。例えば……。●磯村勇斗 井上航・ジルベールの存在は、このドラマの中でピリっと効くコショウかワサビか。ほんわかした空気を一瞬で凍り付かせるエゴイズム。拗ねる、悪態をつく、相手を言葉で斬る。でも憎めない。たしかにこんな人っているんだよねー、周りが甘やかせすぎだねーという共感も沸く。 愛が足りずに育ったから愛をねだる、というちょっと子供っぽいわがままゲイの役に挑み、巧みに演じきった磯村さん。カメレオン俳優の名をほしいままに、先輩俳優たちを食うような勢いを見せました。●山本耕史 一方で、小日向大策を演じた山本さん、こちらも何と幅の広い役者なのかと驚かされました。小日向は常識のある上品な大人。しかし年下の恋人ジルベールにベタ惚れで振り回されっぱなし。かわいい子供に手を焼くバカ親のようで、大河ドラマで活躍する山本さんとのギャップがたまらない。ドラマ好きは悶絶の演技でした。●オープニング曲 フラットな声、アコースティックなギターが響くフォーク調。ほっこりと懐かしい音。バンド・OAUの「帰り道」は、オープニング曲としてこのドラマに実にハマっていました。刺激的展開はなく日常のささやかな出来事を丁寧に描くということが、一発でドンピシャ伝わってきたのです。つまり、ドラマの空気感はすでにオープニングでしっかりと表現されていました。●シロさんの母役・梶芽衣子 母の立ち位置、心配する親心の揺れを見事に体現。「同性愛は恥ずかしいことではない」と言いつつ心の奥で十分に受け止めきれていない母。つい「あなたが娘だったらね」などと口にしてしまう。しかし、母としては息子の生き方を肯定したい。愛情もヒシヒシと伝わってきて静かに葛藤する演技は素晴らしかった。 梶さんといえば、かつての『女囚さそりシリーズ』で台詞を喋らないカミソリのような凄みある女を演じ怖いイメージがあったのですが、今回のドラマでは無言の中に柔らかな愛を表現していました。 おそらく、多くの視聴者がこのドラマに求めたのは、言葉で単刀直入に愛してるなどと言わなくても、ふと互いを思いやる関係、それを伝えるしぐさや行為だったのでは。 すれ違いそうな時、何気ないそぶりで仲直りの仕方を教えてくれる。気づいた相手も素直に気持ちを受けとってくれる。ささやかだけれど大切なこと。現実の中では否定されることが多い世の中。いつもここがダメ、あそこが足りないと、他人も自分もダメ出しばかりの中で生きる私たち。 しかしこのドラマは「そんなケンジでいい」「どんなシロさんでもいい」という肯定が底に流れています。必要なのは完璧さではなくて、ふわっと包み込む暖かさ。多少波風が立ったり、けんかしたり、すれ違ってしまっても、修復していけるという根本的な明るさ。「豊かな食卓」とは、高価な食材やゴージャスな料理が揃うことではない。 2人で美味しいね、と笑いながら食べる食卓のこと。それがあればたいていの問題は乗り越えていける──究極の真実を『きのう何食べた?』というドラマは教えてくれていました。
2019.06.29 16:00
NEWSポストセブン
人気子役だった伊藤(右)の方が芸歴は長いが、西島を先輩として慕っている
西島秀俊、伊藤淳史を自宅に呼びラタトゥーユを振る舞う
 食通のゲイカップルが急に自宅へやってくることになっても、いつも通り庶民的なスーパーで買った食材で、ちらし寿司や筑前煮などを作る。その味にカップルと恋人・ケンジも大喜びで──。 ゲイカップルの日常を描いた今クールの話題作『きのう何食べた?』(テレビ東京系)第8話で、西島秀俊(48才)が演じる弁護士・シロさんは手際よく料理を作った。「ドラマのためにキャベツの千切りを練習したという西島さんはすっかり包丁さばきの腕を上げました。それがきっかけで料理にもハマったようで、先日は自宅に俳優の友人を招いて、ドラマさながらに料理を振る舞ったそうです」(ドラマ関係者) その俳優とは伊藤淳史(35才)。西島とは『チーム・バチスタ』シリーズ(フジテレビ系)での共演がきっかけで仲を深めていったという。その後も、『ダブルフェイス』(TBS系)や『名探偵・明智小五郎』(テレビ朝日系)など、共演は多い。「同じ事務所の先輩と後輩で、周りからは仲よしコンビと呼ばれ、プライベートでも家族ぐるみでつきあう10年来の仲です。よく伊藤さん一家が、西島さん宅を訪れています。西島さんの奥さんが作る料理が大変おいしいそうで、伊藤さん一家は西島さんが留守の時でも奥さんに連絡して食事をごちそうになることもあるみたいです」(芸能関係者) しかし、5月上旬、伊藤家に料理を作ったのは西島だった。その「勝負メシ」はいったい何だったのだろうか。「メニューは、ドラマの第3話でシロさんが披露した、チキンのトマト煮込みをアレンジしたラタトゥーユ。ほかにも、グラタン、牛肉の煮込みにサラダでもてなしたそう。もちろん味は完璧で、伊藤さん一家は“おいしい!”と大絶賛だったようです。西島さんも作った甲斐があったとご満悦だったとか。映画の撮影などで多忙な西島さんは、いい気分転換になったと喜んでいました」(前出・ドラマ関係者) シロさんの料理を堪能した伊藤に、ケンジがヤキモチを焼かなければいいけれど。※女性セブン2019年6月20日号
2019.06.10 16:00
女性セブン
記者に対応する内野。小山を「大切にしているかた」と語った
内野聖陽、母親公認の大切な存在・小山あずさと交際宣言
 俳優・内野聖陽(50才)と17才年下の女優・小山あずさ(33才)が、1年以上にわたって交際中であることが判明。内野本人に話を聞いた──。 熱にうなされる彼の看病のために、急ぎ足で自宅に帰る。台所に立つと、「キャッ」「できたッ!」「喜んでくれるかしら…」と、慣れない料理に表情をせわしく変える。 雑炊を作り終えると、かわいらしい声で「シロさ~~~~ん、ご飯、できたよぉ~~~」とうれしそうに呼ぶ。そして、料理を食べる相手のリアクションを心配そうに見つめ――。ドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)第7話の内野の演技に、性別問わず、「愛する人のために尽くす姿がカワイイ」という声が上がっている。 ドラマは内野演じる美容師のケンジと、弁護士のシロさん役の西島秀俊(48才)のゲイカップルの日常が描かれている。インターネットの見逃し配信の再生回数が150万回を超えるなど、今クールNo.1と評される。 これまでの内野はドラマ『エースをねらえ!』(テレビ朝日系)ではテニスの鬼コーチ・宗方仁を、ドラマ『JIN-仁-』(TBS系)では坂本龍馬を演じるなど、男くさい役どころが多かった。「大河ドラマや社会派ドラマで切れ者役を演じ、殺陣にも定評のある内野さんの今までの役柄とのギャップがすごい。表情からリアクション、手先の繊細な動きまで、完全に“ホンモノ”です」(ドラマ関係者) 5月中旬、その内野が都内の自宅から車に乗って仕事に出かけた。髪をバッサリ切って、長髪パーマの「ケンジ」の面影はどこにもない。 それから数時間後、その自宅から1人の女性が出てくる。女性は慣れた手つきで門扉を開き、自転車で颯爽と出かけて行った──。◆小山あずさのキャリア 内野はドラマの撮影を終え、6月から始まる舞台稽古に励んでいるという。「撮影当時、内野さんは現場で料理のレシピをスマホによくメモしていました。ドラマにも出てきたラザニアを、自宅で再現して食べたとも話していましたよ。ただ、内野さんは野菜炒めなど簡単な料理しか作らないと言っていたので、手の込んだラザニアを食べたと聞いて驚きました。料理を作ってくれる相手がいるんでしょうね」(前出・ドラマ関係者) 内野は、ミュージカル『エリザベート』で共演した女優の一路真輝(54才)と2006年に結婚。同年に長女が誕生した。「内野さんは仕事が最優先。せりふを覚えたり演技の練習をしたりするのに、自宅では集中できないタイプ。ひとりの時間を大切にするあまりか、ふたりは2009年頃から別居を始め、2011年に離婚。同時期に内野さんの不倫、飲酒運転といったスキャンダルも報じられました」(芸能関係者) 離婚から8年。今、内野には心を許す相手がいる。彼の自宅から自転車に乗って出てきた女性だ。「小山あずささんという女優です。交際して1年以上だと聞いています」(内野の知人) 小山は1985年生まれの33才。身長173cmの長身美女で、学生時代からダンスに親しむ活発な女性だという。首都大学東京大学院を修了した才女でもある。 2011年から、仲代達矢(86才)が主宰する「無名塾」に1年間在籍し、女優のキャリアをスタートさせた。それからというもの、『ブラックリベンジ』(日本テレビ系)や『デザイナーベイビー』(NHK)などのドラマに出演。ほかにも、田中哲司(53才)や田中圭(34才)が出演した『サメと泳ぐ』など数々の舞台にも積極的に挑戦している。「内野さんは文学座出身で、今も舞台関係者と交流が続いています。小山さんが出演した『サメと泳ぐ』の演出を務めた千葉哲也さん(55才)とも内野さんは古くからの友人で、ふたりは千葉さんを介して知り合ったそうです」(前出・芸能関係者) 現在、小山は内野の自宅から自転車で20分ほどのところでアパート暮らしをしている。「自宅から内野さんの家に自転車で通っているそうです。同棲はしていませんが、鍵を渡されていて、内野さんの留守中も雑用をしてあげているようですね」(前出・内野の知人)◆母親とも親しくする大切な女性 内野の自宅周辺には、82才の母親も暮らしている。「お母さんはまだまだ元気で、内野さんの自宅に2~3日に1度は顔を出すようです。お母さんと小山さんが、2人で過ごすこともあって、すっかり“公認”ですよ。ふたりの仲のよさを知る友人たちからは“そろそろ結婚してもいいのでは”という声も出ています」(前出・内野の知人) 内野の実家は神奈川・横浜の由緒正しき寺院。父親はすでに他界し、長男の内野は、実家の寺を継がずに俳優の道に進ませてくれた母親に感謝をしている。周囲には「母親の面倒を一生見る」と公言しているという。「今はお母さんも彼女もいい距離のつきあいですが、結婚となると一度失敗していますし、慎重になるでしょう。内野さん自身も離婚に際しての会見で、自分自身を“一つ屋根の下で暮らすのは難しいタイプ”だと言っていましたからね…。ただ、彼女も33才。内野さんも真剣に考えていると思いますよ」(前出・芸能関係者) 仕事終わりの内野に話を聞いた。──内野さん、驚かせてしまいすみません。「いえいえ…。え、今おれを追ってるの(苦笑)」──いつも注目していますが今、ドラマも人気で。「じゃあ指令が出てるのね」──小山さんとおつきあいされていると聞きました。「プライベートはなるべくね、そっとしておいてほしいですよね。まぁまぁお仕事はわかりますけれども(笑い)」──結婚も?「そんなことはまだ全然考えていないですけれども。でも、親しくしています」──大切にされている?「そりゃそうです」──ゆくゆくは?「わからないですよ、ゆくゆくなんて、フフ」──ところで髪の毛がサッパリされていますが『きのう何食べた?』の撮影は終わられて?「ずいぶん前に終わりました。もう次の芝居の稽古です。もうケンジモードもゼロで、今は毎日必死に一人芝居の稽古中です。それ記事に書いてよ(笑い)」──承知しました。ありがとうございました。「遅くまでご苦労さまです。おやすみなさい」 そう言うと内野はその場を後にした。 内野の一人芝居『化粧二題』は6月3日に初日を迎える。母に捨てられ、傷を隠しながら生きる男の役どころだ。かわいいケンジは封印。また別の内野の魅力が見られそうだ。※女性セブン2019年6月6日号
2019.05.22 16:00
女性セブン
西島秀俊、映画で作業着姿 『きのう何食べた?』とギャップ
西島秀俊、映画で作業着姿 『きのう何食べた?』とギャップ
 仕事帰りにスーパーに立ち寄り、セール品を吟味して材料を買うと、手際よく料理する西島秀俊(48才)。同棲相手とハニカミながら食卓を囲み──。 そんな日常を描いた深夜ドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)。ただ、主人公は普通のカップルではなく、西島演じる“シロさん”と内野聖陽(50才)演じる“ケンジ”のゲイカップルだ。「毎回、放送後のTwitterが“祭り状態”になり、世界トレンド1位を記録したことも。深夜枠ですが、見逃し配信が5週連続で100万回再生されるなど、“今期ドラマNo.1”の呼び声も高い」(テレビ誌記者) 新婚のような2人の様子に“萌える”女性が多発しているが、出てくる料理も話題だ。「時短でできるメニューや主婦の知恵袋も満載で参考になります」(ドラマファン) バターや卵などを加えたオリジナル「サッポロ一番」のみそラーメンも披露。放送翌日に売り切れる店が続出した。 西島の、“料理男子”ぶりも注目を集めているが、別の現場ではまったく違う姿を見せているようだ。 埼玉県の「道の駅」で、撮影に居合わせた人が言う。「4月中旬の夕方にロケをしていて、スタッフ含め40人くらいいました。西島さんはボロボロの作業着姿で、表情も少しやつれた感じでした」 撮影は来年公開の映画『風の電話』。東日本大震災で被災した岩手県大槌町にある、死別した大切な人に思いを伝える白い電話ボックスをモチーフにした作品だ。 西島が演じるのは、広島から1人で故郷の岩手に向かう少女(モトーラ世理奈・20才)と旅の途中で出会い、風の電話まで同行する役どころ。「撮影はモトーラさんが男性に襲われそうになったところを、ワンボックスカーで通りかかった西島さんが助けるという重要な場面でした。『きのう何食べた?』で見せる顔とは全く雰囲気が違います」(映画関係者)※女性セブン2019年5月30日号
2019.05.19 16:00
女性セブン
2LDKで男2人暮らし(番組公式HPより)
なぜ今LGBTドラマが量産? 今春は5作放送で軒並み好評
 昨年、男性同士の恋愛を描いた『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が大ヒットしたのが記憶に新しいが、今クールのドラマでも、LGBTを題材にした作品が増えている。その背景をテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 今春のドラマでスタートして1か月が過ぎようとしていますが、最大のモチーフとなっているのはLGBT。 ツイッターの世界トレンド1位にもなった話題作『きのう何食べた?』(テレビ東京系)のほか、シリーズ第3弾も人気をキープする『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)、古田新太さんがゲイの教師を演じる『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)、強烈なタイトルに相反するピュアな世界観が魅力の『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK)、人気海外ドラマのリメイク『ミストレス~女たちの秘密~』(NHK)の5作でLGBTがモチーフとして扱われ、うち4作は主人公が当事者です。 なぜ今、これほどLGBTをモチーフにしたドラマが量産されているのでしょうか?◆「生きづらさ」が明快で根深いLGBT このところドラマに限らず、テレビ番組全般のキーワードとなっているのは、さまざまな人柄や生き方の尊重。年齢、性別、職業、学歴、趣味、嗜好などの違いを平等に扱い、「自分らしく生きる姿を描く」「マイノリティにスポットを当てる」というコンセプトの番組が増えています。 ドラマでも、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)が、契約結婚するヒロイン、高齢の処女、結婚に否定的な男性、家族を溺愛する男性、ゲイ、シングルマザーなど、それぞれの生き方を尊重するような物語で大ヒットして以降、この傾向が加速。今春も、周囲を気にせず定時退社を続ける女性を描いた『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)、車椅子生活の男性が主人公の『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)、同じマンションに住むさまざまな住人を描いた『あなたの番です』(日本テレビ系)が放送されているように、それぞれの立場にいる人が、生きづらい世の中を自分らしく乗り越えようとする姿をフィーチャーしています。 なかでも、生きづらい理由がわかりやすく、根が深いのはLGBT。好奇の目、上から目線、微妙な距離感、露骨な特別扱いなどに直面しながらも、自分らしく生きる姿が視聴者の共感を呼び、困難を克服したときのカタルシスはひとしおなのです。 たとえば、今春最大の話題作となっている『きのう何食べた?』は、40代のゲイカップルを特別視せず、描いているのは何気ない日常生活のみ。その中心にあるのが2人で挟む食卓という点も含めて、LGBTはもちろん、それ以外の人々からも共感を誘っているのでしょう。 また、『きのう何食べた?』の内野聖陽さんが「こういう役はほとんど経験がないので、新鮮に感じました」「面白いドラマになりそうだなっていう予感をすごく感じて、二つ返事で受けました」とコメントしているように、俳優たちにとってLGBTは演じがいのある役。「演技の幅を見せ、視聴者のイメージを広げ、新境地を見せて評価を受けやすい」など、制作サイドにとってはキャスティングに迷うことはあっても、困ることは少ないものです。◆一年前にもLGBTのドラマが大量放送 実はLGBTを扱ったドラマの放送ラッシュは、一年前にも起きていました。 LGBTをモチーフにした作品は、昨年の上半期だけで、『女子的生活』(NHK)、『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)、『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日系)、『弟の夫』(NHK BSプレミアム)、『半分、青い。』(NHK)、『おっさんずラブ』、『家政夫のミタゾノ』が放送されていたのです。 今春の作品では、『きのう何食べた?』はテレビ東京の“飯テロ”を進化させた。『俺のスカート、どこ行った?』は絶滅しかけている学園ドラマの救世主となりそう。『腐女子、うっかりゲイに告る。』は90年代の純愛ドラマを彷彿させるなど、LGBTをモチーフにしたことのメリットが一年前の作品より大きくなっている感があります。 ただ、LGBTのキャラクターが当然のように設定され、視聴者も当然のものとして受け止めている欧米と比べると、まだまだ特別な存在として扱われているのが現実。その意味で現在は、「LGBTが個人を尊重する社会の象徴ではなく、当然の存在として描かれるようになる」ためのステップを一歩一歩進んでいる最中なのかもしれません。昨年の上半期がホップ、今春がステップ、そして来年がジャンプと、三段跳びのように大きく前へ進んでいけるのか。その動向に注目してみてはいかがでしょうか。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.05.05 07:00
NEWSポストセブン
6月末からニューヨークに留学する予定だという野村
野村周平&琉花、りえ&森田… 平成最後の芸能人デート4連発
 ついに令和の時代到来まであとわずか。そこで、本誌・女性セブンが平成の最後にキャッチしたアツアツカップルの姿をお届けします!◆野村周平(25才)&琉花(21才) 元カノ・水原希子(28才)と破局した野村が選んだ新恋人は人気モデルの琉花。都内の住宅街を変装もせず、堂々と腕を組んでデート。片時も離れたくないようだ。◆宮沢りえ(46才)&森田剛(40才)「平成」を数多くの恋で彩ったりえが、最後に選んだのが森田。ふんわりとしたベージュのワンピース姿のりえを夫が甲斐甲斐しく支える。周囲を行き交う人々も「もしかして?」と二度見しちゃいました!◆小栗旬(36才)&山田優(34才) 都内の人気焼き鳥店で吉田鋼太郎(60才)、坂口健太郎(27才)らと食事を楽しんだ小栗夫妻。2児に恵まれ、“パパ歴”ももう5年となった小栗は、子供のあやし方も手慣れたもの。◆西島秀俊(48才) ドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)、映画『空母いぶき』と主演作品が相次ぎ、多忙を極める西島。たまの休日は“イクメン”に大変身。※女性セブン2019年5月9・16日号
2019.04.29 16:00
女性セブン
2LDKで男2人暮らし(番組公式HPより)
テレ東ドラマ『きのう何食べた?』 業界内では期待の声多数
 4月から始まった平成最後の春ドラマの中で、もっとも熱い注目を集めているのは、人気漫画原作でゲイカップルの日常を描いた『きのう何食べた?』(テレビ東京系)だ。深夜帯の放送で初回視聴率こそ3.5%だが、見逃し配信の再生数は、歴代トップの120万再生を記録し、業界内からは期待の声しか聞こえない。ドラマウオッチを続けるノンフィクション作家の山下柚実さんはこう話す。「W主演の西島秀俊(48才)、内野聖陽(50才)とも演技が光っています。特に内野は指先まで完全に役のケンジになりきっています。実はきれいなことにこのドラマで気づかされた“奇跡のアラシックス”田中美佐子(59才)の役も、原作と違うように感じていましたが、ぴったりでした」 辛口コラムニストの今井舞さんも高評価。「漫画をしっかりと実写化していて好感が持てます。気になるのは西島の料理シーン。インタビューでは『千切りの練習をしている』と言っているけれど、料理中の手元は別カットのことが多い。残念」 西島は役作りのための体重の増減などはお手の物だが、料理だけは別物か。ゲイを演じるには男らしさが過ぎるのかもしれない。 高橋一生(38才)、斎藤工(37才)、滝藤賢一(42才)、旬の男性がトリプル主演するのは『東京独身男子』(テレビ朝日系・土曜23時15分)。初回視聴率5.7%で、同枠としては『おっさんずラブ』最終回と並ぶ“ロケットスタート”を見せた。 20~30代女子を中心に早くも熱狂的ファンがいるというが、山下さんはピシャリ。「歯科医はチャラくて弁護士はナルシスト、アナリストは合理的と、肩書に合わせたキャラ設定がバブルの頃のよう。せっかく男性の4人に1人が独身という実態に目をつけ、いい役者が揃っているのに。私は見続けられません」 近年、ドラマ好きにとって至福の時とされるのは「日曜夜」だ。20時の大河、21時のTBS日曜劇場、そして22時30分の日テレと、人気ドラマ枠が続くからだ。 好スタートを切った『集団左遷!!』(TBS系・日曜21時)で福山雅治(50才)は、かっこ悪いほど普通のサラリーマンを演じている。「福山起用で、絶対に失敗は許されないという重圧があり、攻めた脚本が作りにくいらしく、スタンダードにまとまってしまっている印象。ただ、福山の“普通”ぶりは圧巻。こんなにイケメン臭を消せるとは…。役作りでわざと太ったようですね。今後の展開に期待」(テレビ誌記者) マンションを舞台にしたミステリー『あなたの番です』(日本テレビ系・日曜22時30分)は、25年ぶりとなる2クールドラマで、4月から約半年間放送される。「初回視聴率は8.3%と2クール連続にしてはかなり厳しい数字。この枠は『今日から俺は!!』『3年A組』(日本テレビ系)でいい流れを作ってきたのに、このままではスポンサーが逃げ出しかねません。ストーリーも変更しづらく、期間短縮もありそう」(日本テレビ関係者) こうしたラインナップがしのぎを削る中、今井さんが推すのは『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系・平日12時30分)だ。2017年のスマッシュヒット『やすらぎの郷』の続編で、脚本は倉本聰、主演は石坂浩二(77才)だ。「老人ならではの認知症などの会話が、悲惨にならずに日常の出来事として処理されていて、そこがリアル。ツッコミ目線も鋭く、加賀まりこ(75才)や浅丘ルリ子(78才)の化粧が濃いことが笑いになったりしている。若い人が描く老人のステレオタイプ描写とは全然違うんですよ」 今見ている人も見ていない人もぜひ参考に!※女性セブン2019年5月9・16日号
2019.04.27 07:00
女性セブン

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