義理の親の介護をした妻にご褒美が

 参考になるのが相続人の特別寄与の仕組みだ。現在も3兄妹のうち妹が父の介護を行なうなど、相続人の中で特に親の面倒を見ていた者は、特別寄与があったと相続分の割り増しを請求することができる。

 その際の金額は、〈介護職員を雇った場合にかかる金額×療養介護を行なった日数×裁量割合〉で計算される。つまり、介護であれば、「毎日ヘルパーに来てもらえばいくらになっていたか」、親が認知症なら「24時間の見守りを業者に依頼すればいくらか」という金額が算定基準になる。

 あなたが妻の寄与度を正確に金額に反映させたいなら日誌をつけて、どれだけ介護に時間と体を使ったかを記録させておくのが得策だ。

 それも〈◯月◯日、2時間介護をした〉という簡単なものではなく、〈◯月◯日、朝昼晩におむつを3回。3食の食事介助。×月×日、×時から1時間入浴介助。着替えの手伝い〉というように、できるだけ詳細に記入するのがコツだ。

「◯時から2時間一緒にテレビを観る、といった記録も有効です。介護の対象者と一緒に過ごすだけで“見守り”と判断される可能性があるからです。そうした記録を逐一残しておけば、妻の貢献度をより多くお金に換算することができるでしょう」(犬山氏)

 いままさに妻が自分の親の介護をしている人は、7月になる前に、過去の分をさかのぼって妻に介護記録をつけてもらうことが、自分と妻の相続分を増やすことにつながる。

※週刊ポスト2019年3月8日号

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