2011年3月9日にオンエアがスタートした
2011年の3月9日にオンエアがスタートした。しかし九州新幹線の開業を翌日に控えた3月11日に東日本大震災が発生。CMは放送中止となった。
「週明けにスタッフ全員に囲まれて『ナレーションやテロップを被災地へのエールに改定して放送したい』という提案を受けました。僕は『絶対やめたほうがいい』と強く反対しました。広告は、本来の目的を見失って異なる野心を持った時、妙な違和感を与えてしまうものなので」
しかし、YouTubeによって風向きが大きく変わる。思い思いに喜びを表現する九州の人々の姿が大きな感動を呼び、再生回数はまたたく間に100万回を突破。6月にはカンヌ国際広告祭でも金賞はじめ3部門で受賞を果たした。
「僕自身、ネットの力を実感したのは初めてで、CMを見る形態が大きく変わっていることを図らずも認識させられました。同時に、『楽しい』ことや『嬉しい』ことは、人間にとって食べ物や水と同じように大事な栄養なんだと再認識しました」
ネット時代の発信力を体感した古川氏。平成が終わりを迎える中、広告業界の第一人者としてCMの変化をどのように捉えているのだろうか。