国内

大前研一氏、北方領土問題解決に「希望者には日本国籍付与」

経営コンサルタントの大前研一氏

 北方領土については、政府も長らく「四島返還」を強く訴えてきたが、昨年11月の安倍晋三首相とプーチン大統領の会談後から、二島先行返還を軸に進める方針へと転換された。果たして、今の路線で問題は解決できるのか。経営コンサルタントの大前研一氏が、北方領土問題の最適解について解説する。

 * * *
 歯舞群島と色丹島を返してもらうメリットはどれほどあるのか? たとえば1972年の沖縄返還の場合は、日本人が約96万人も居住していたので、非常に大きな意味があった。しかし、歯舞群島にはロシアの警備隊が駐留しているだけだし、色丹島には約3000人のロシア人が住んでいるが、日本人は1人もいない。そこを取り戻すメリットは、漁業権の範囲が拡大することくらいだろう。

 私は一昨年、北海道をオートバイでぐるりと巡ったが、どこもかしこも広大な“空き地”ばかりだった。離島の利尻島、礼文島、奥尻島も有効利用されているとは言い難い。もし、歯舞群島と色丹島に加えて国後島、択捉島も返還されれば、そのぶん行政府は解決しなければならない難題が山積みとなるが、それに備えた明確な統治ビジョンが日本政府にあるとは思えない。

 たとえば安倍首相は記者会見で、二島が返還された場合にロシア人の島民をどうするのかという質問に対して「理解してもらうしかない」と答え、これにロシアが猛反発した。なぜなら、ロシアはバルト三国で苦い経験をしているからだ。1991年のソ連崩壊後もバルト三国にはロシア系住民が6~30%くらい残っており、この人たちが今、いじめ抜かれているのである。

 同じ轍を踏まない方策として、日本は北方四島に居住しているロシア人に「三つの選択肢」を与えるべきだと私は主張してきた。それは、(1)希望する人には日本国籍を付与する(2)ロシア国籍のままでも日本の年金や健康保険などの制度を利用可能にする(3)ロシア本土に移住したい人には費用を負担する──というものだ。そういう提案をすれば、ロシア側も受け入れやすいと思う。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン