国際情報

中豪対立が激化、相互にスパイ容疑で拘束や追放措置

オーストラリアとの対立が鮮明に

 中国とオーストラリアの関係が昨年から悪化している。オーストラリア外務貿易省は1月下旬、かつて中国政府に批判的な論評を書き、国家安全に危害を与えたとされる中国系オーストラリア人の作家、ヤン・ヘンジュン(中国名・楊恒均)氏を中国当局が拘束したことを確認した。ヤン氏は中国の元外交官。

 これを受け、豪政府は2月、中国を念頭に昨年成立した「反スパイ法」を初めて運用して、同国政治家や政治団体に多額な献金を行った中国人富豪・黄向墨氏の永住権を取り消したのだ。黄氏は中国共産党がバックアップする在豪中国人団体のトップを務め、近年豪州に対する中国の浸透工作において中心的な人物とされている。さらに、スパイ活動を行っていたともされる。

 中豪両国が相次いでスパイ容疑で身柄を拘束したことで、対立が今後、一層激化するのは必至だ。

 中国外務省の華春瑩報道官によると、ヤン氏は国家安全に危害を与えた疑いで、北京市国家安全局によって身柄を拘束されたという。華氏はヤン氏の容疑の具体的な内容については明らかにしていない。

 豪紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」(電子版)によると、ヤン氏は1月19日、妻子とともに米ニューヨークから広東省広州の空港に到着後、中国当局者に拘束された。上海に向かう予定だったという。

 ヤン氏は中国湖北省出身で、中国外務省や海南省政府で勤務後、2000年に豪州国籍を取得。その後、ブログなどで中国政治に関する評論活動も行っていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村芝翫と三田寛子
三田寛子、夫・中村芝翫と愛人の“半同棲先”に怒鳴り込んだ「絶妙タイミング」 子供たちも大事な時期だった
週刊ポスト
6月9日、鹿児島市内の認定こども園で、刃物のようなもので男児の首を切りつけて出血させたとして、殺人未遂容疑で逮捕された笹山なつき容疑者(21)
《鹿児島2歳児切りつけ》「見えたらいけないものが…」21歳の女性保育士が犯行前にSNSで意味深投稿 母校の高校関係者は「夢の実現目指して熱心に勉強を」
NEWSポストセブン
アメリカ・ロサンゼルスの裁判所前で、報道陣に囲まれる米大リーグ・大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告(EPA=時事)
水原一平被告、ウーバー転身も資格剥奪 巨額の借金返済のために残された道は「暴露本」か、「YouTuber転身」か
NEWSポストセブン
大学受験に向けて動き出されている悠仁さま(写真/JMPA)
悠仁さまの東大受験に暗雲、推薦枠での入学には極めて高いハードル 進学先候補に東京農業大学、玉川大学、筑波大学
週刊ポスト
杏
【全文公開】杏、帰国時に極秘入院 ワンオペで子育てしながらの仕事、元夫・東出昌大 の言動でストレスも 体が悲鳴で短期の検査入院か
女性セブン
【全文公開】中村七之助、梨園きってのモテ男が“実家お泊り愛”の真剣交際 お相手は京都の芸妓、直撃に「ありがとうございます」
【全文公開】中村七之助、梨園きってのモテ男が“実家お泊り愛”の真剣交際 お相手は京都の芸妓、直撃に「ありがとうございます」
女性セブン
全国ライブ中の沢田研二
《ファンの声援にブチ切れ》沢田研二が「見てわからんか!」とステージ上で激怒し突っ込んだ「NGワード」
NEWSポストセブン
一部メディアが盛んに報じている「佳子さまの結婚のお相手候補」(写真/宮内庁提供)
【本命は島津家の御曹司か?】過熱する佳子さま「結婚相手報道」 眞子さんと小室圭さんの騒動で「佳子さまのお相手のハードルが上がった」
週刊ポスト
日本中を震撼させた事件の初公判が行われた
【悲劇の発端】瑠奈被告(30)は「女だと思ってたらおじさんだった」と怒り…母は被害者と会わないよう「組長の娘」という架空シナリオ作成 ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン
長所は「どこでも寝られるところ」だと分析された(4月、東京・八王子市。時事通信フォト)
愛子さま、歓迎会の翌日の朝に遅刻し「起きられませんでした」と謝罪 “時間管理”は雅子さまと共通の課題
NEWSポストセブン
中村芝翫と三田寛子
《愛人との半同棲先で修羅場》それでも三田寛子が中村芝翫から離れない理由「夫婦をつなぎとめる一通の手紙」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告
【父親とSMプレイの練習していた】瑠奈被告(30)の「女王様になりたい」に従った従順な両親の罪
NEWSポストセブン