マズい……。オレ、信用失うかも……と思ったものの、どうってことはない。携帯電話さえあれば何も困らない。収入も増え2010年、株式会社を作り登記をした際は役所から「固定電話はないのですか?」と言われ、「携帯で十分です」と返したら驚かれたが、あれから9年、固定電話ナシで困ったことは一切ない。FAXは「パソコンに取り込んで送ってください」と言えば良いだけだ。
人間なんてものは、「自分が連絡したい時に都合よく連絡できる」方が心地よいに決まっているのである。相手から連絡が来た時は、その人物が何か困っているか、あなたに何かをやらせたいだけである。「株で1億円儲かったから1000万円あげる。明日、会おうよ!」なんて事態はあり得ない。
街中で声をかけてくる人間は、キャッチセールスやら風俗店のスカウトなど、「そいつら」が儲かるための声掛けだ。電話にしても同様である。携帯電話が普及して以降、固定電話にかかってくる電話など、証券会社の営業、意識調査、マンションの販売に関するものばかり。
「忙しいんで、あなたの相手している余裕ないです」と不機嫌に言おうものなら、「なんだバカ野郎、死ね!」なんて、どこの会社だかも分からん男から言われ、こちらは「グヌヌヌ」と不快になるだけだ。固定電話を解約すれば、それが一切なくなり実に快適だ。
というわけで、固定電話の存在価値が減っている今、企業にとっては千載一遇のチャンスである。というのも、企業のコールセンターはいたずら電話や暇人の相手に疲弊をしている状況がある。あるいはまったく学ばぬバカに同じことを何度も説明せねばならない。