そんな中で、早稲田大、慶應義塾大の合格者が多かった学校はどこか見ていこう。
早稲田大は12年連続で開成(東京)がトップだった。合格者は昨年より8人減った。学部別では基幹理工、先進理工の2学部でトップ。2位は43人増えた聖光学院(神奈川)で、政治経済学部でトップに立った。
3位は11人増で公立トップとなった都立の日比谷で文学部トップだ。同じく3位は昨年に比べて63人増で22位からアップした浅野(神奈川)。社会科学、創造理工の2学部でトップに立った。もともと慶應に強いことで知られる浅野だが、今年は早稲田大でも躍進した。早稲田の受験者が昨年より増えているからだ。5位は20人増の渋谷教育学園幕張(千葉)だった。
早稲田の他学部のトップを見ると、教育と商の2学部は城北(私立・東京)、国際教養学部は頌栄女子学院(東京)、埼玉の所沢キャンパスにある人間科学とスポーツ科学の2学部は地元の栄東だった。
現役合格者数を見ると、トップは聖光学院の167人だ。全合格者に占める割合は8割を超える。2位が浅野、3位が豊島岡女子学園だ。早慶など大手の私立大は浪人が多いと思われているが、今は浪人生は減少している。現役進学志向が高まり、併願校数が減っている。昔のような「何が何でも早稲田」という受験生が減っており、記念受験も今はほとんどしない。
昨年のデータで見ると、学内併願率(延べ志願者数÷実志願者数)は早稲田が2.17、慶應は1.47に過ぎない。早稲田はセンター試験利用入試を行っていることもあって併願者が多いが、それでもたくさんの学部を受けている受験生は少ないことが分かる。
慶應は学部別の入試1回だけだ。なかでも理工学部では、単願(他の学部は受けない)受験生が84.3%にも上っている。現役合格者の割合も昨年は早稲田が67.6%、慶應が61.3%だった。トップ校の進路指導教諭は「昔に比べて、浪人すれば東大に合格しそうな生徒が、現役で早慶に進学する生徒が増えました」と言う。浪人生が減っていることも影響しているようだ。