白い肌が眩しい
──たしか30代になってからの写真集『I am』の撮影中も、お風呂で何かドキッとすることを言われたんだよなあ。忘れちゃったけど。
釈:えー、それは覚えてない。でもこの撮影の時は2人っきりでしたよね。西田さんとのお付き合いも10年目で、その信頼関係があったからこそ撮れたカットだと思います。他のカメラマンさんだったら、あそこまで素を曝け出せませんでした。
──ありがとう。20代の時は全力疾走って感じがしたけど、『I am』の時は適度に力が抜けていたように感じたよ。
釈:そうかもしれません。デビュー当時はコンプレックスの塊だったんです。それでも私にとって一番の“勝負服”は水着。自分の魅力を必死に探そうと肩に力が入っていたかもしれない。いつも「皆が求めてる釈由美子を演じなきゃ」と無意識に考えていた気がします。無理をしていたわけじゃなくて、求められる顔を出せる私でいたいなと。
──うん、デビュー当時から頑張り屋さんだったよね。僕が撮影も終盤に差し掛かった頃に「今の顔、いいね」なんて “延長戦”を始めても、嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれる稀な存在でしたよ。
釈:西田さんは「これラストね」と言ってからが長いですもんね(笑い)。でもそれは西田さんが撮りたいと思ってくれた写真は間違いないって確信があったからです。