ライフ

子供の運動離れは「IoTシューズ」で解決できるか

運動データを測定する小学生向けIoTシューズ「UNLIMITIV」(時事通信フォト)

 約一年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック開催を前にして、世界で活躍するスポーツ選手が続々と登場する一方で、日本の子どもたちの体力・運動能力の平均値は1980年代半ばから低下傾向が続いていると言われています。ライターの小野哲史氏が、子どもの世界にも登場したIoTシューズが、体力・運動能力低下を解消するきっかけとなり得るのかについてレポートします。

 * * *
 スポーツ庁が行った調査によると、「運動をよくする子ども」と「運動をあまりしない、ほとんどしない、まったくしない子ども」の二極化が明らかになっているそうです。

 厚生労働省が長きに渡ってスポーツや運動を推進しているように、身体を動かすことが健康に密接に結びついているのは、もはや言うまでもありません。とくに成長期にある子どもにとって、運動は健全な心身を発達させる上でなくてはならないものです。

 近年、テレビゲームやポータブルゲーム機の普及、公園や空き地といった遊び場の減少などから、子どものスポーツ実施率は年々減少傾向にあります。しかし、「運動をよくする子ども」がいるのなら、「やろうと思えばできる環境はある」とも言えます。

 それにもかかわらず、「運動をあまりしない、ほとんどしない、まったくしない子ども」が多いのはなぜか。そうした子どもたちが「運動を楽しくない、好きではないと思っているから」という理由が考えられます。

 だったら楽しく身体を動かし、いつの間にか運動が好きになっている――。そんな状況を作り出そうと、バンダイが昨年12月、スマートフォンアプリと連動することで遊びながら運動能力の進化をアシストするIoTシューズ「UNLIMITIV(アンリミティブ)」の販売を開始しました。

 最近、耳にすることが多くなった「IoT(アイオーティー)」とは、Internet of Thingsの略で、モノがインターネット経由で通信することを意味します。アンリミティブは、加速度センサーを内蔵したユニットをインソールの下にセットし、シューズのつま先でトントンと地面を叩くだけで、Bluetoothによってアプリと連携するという仕組みです。

 アンリミティブのアプリには、ウォーク・ラン・ダッシュの歩数をポイント化できる「フィールドモード」と、もも上げや反復横跳び、ジャンプといった本格的な6つのトレーニングを行う「アルティメットモード」があり、貯めたポイントを使って、速さ自慢のライバルたちとバトルするというゲームを楽しむことができます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン