延命治療をする?しない?決断の流れ
「例えば代弁者に指名されていた長男と、次男とで意見が割れた場合に、家族の一人でも『延命治療をしてください』と望んだら、病院や医師は、延命治療をやらざるを得ません。それでも家族の意思統一を図るために、代弁者を事前に決めて文書を作っておくことは大切だと思います」(同前)
延命治療は、病状や家族関係などによって必ずしも希望が通るとは限らない。宮本医師は言う。
「本人と家族の間で話し合いが行なわれていなかったら、家族は延命するかどうかで苦渋の決断を迫られます。そしてたとえ延命しても、しなくても、後々まで家族の悩みは続くのです」
ただ一ついえるのは、より早くから話し合いを重ね、備えておいたほうが、それぞれが納得できる着地点に近づけるということだろう。
※週刊ポスト2019年4月12日号