国内

前川喜平元次官が通った歌舞伎町の出会いバー、閉店していた

前川氏は出会い系バーに通って「女性の貧困の実態」を調べていたという(時事通信フォト)

〈前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜〉──2年前の5月22日、読売新聞朝刊に躍った見出しだ。その3日後、前文科次官(当時)の前川喜平氏は記者会見を開き、加計学園の獣医学部の新設問題について、「行政のあり方が歪められた」と政府を厳しく批判。前川氏の“告発”が大きな話題を呼ぶとともに、出会い系バー通いの記事は「告発を封じるための官邸のリークだったのではないか」と注目を集めた。そうして政・官・マスコミの関係者の間で一躍、“歌舞伎町で最も有名な店”とまで呼ばれることになった出会い系バーが、ひっそりと幕を下ろしていた。

 * * *
「今日は何しにきたの?」「えーっ、暇だったからちょっと……」

 新宿・歌舞伎町の雑居ビルの1室──南国をモチーフにした店内には鼻につくバニラの香りが広がり、カウンターでは出会ったばかりに見える男女が腹の探り合いを繰り広げる。壁には来店した女性の写真が貼られ、店員は「気になる子がいたら言ってください、2人っきりになれますよ」と声をかけてくる。

 女性との“相席”を謳う飲食店はいまや繁華街の至る所に見受けられるようになった。ここもその1つに過ぎないのだが、この「出会い系バー」は一時期、メディアが殺到する現場となったことがある。

 きっかけとなったのは、2017年の加計学園騒動。獣医学部の新設を巡り、所管である文科省の「総理のご意向」と書かれた内部文書の真偽について、文書が作成された当時事務次官だった前川氏は「(事務次官として)在職中に共有していた文書であり、確実に存在していた」と実名で公に告発する準備を進めていた。

 ところが前川氏の会見が行なわれる3日前の5月22日、読売新聞が報じたのが、前川氏の在職期間中の「歌舞伎町の出会い系バー通い」だった。前川氏は告発会見などで「女性の貧困の実態を見たかった」とバー通いを認めたが、菅義偉官房長官は会見で「強い違和感を覚えた」とコメント。そんな経緯があってこの出会い系バーは脚光を浴びるかたちとなった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン