「応召義務といって、医師には紹介状を書く義務があります。顔を合わせたくない場合、病院の医療連携を担当する部署や看護師を通じて頼んでもいい。そして紹介状で何よりも大事なのは、宛先の先生の名前。『ご担当先生』と指定しないこともできますが、絶対に書いてもらうことを勧めます。

 治療を受けたい医師を探しておき、明記してもらいましょう。“名医”といわれる先生であっても、外来を行っている先生であれば紹介状に名前を書けば診てもらえます。私自身、自分の名前が書いてある紹介状の患者さんには、診てもらいたいそれなりの理由があるのだろう、と思い、断ることはまずありません」

 晴れて病院を替えることができた…。その後、よりよい治療を受けるために必要なのは、医師との信頼関係だ。

「医師も人間です。診察室に入ってくるなり“こんなに待たせるな!”などと不満をあらわにされると、やはり気分はよくありません。患者さんを待たせている間も、決して医者はさぼっているわけではなく、食事も取らずに多くの患者さんの診察や急患の対応をしています。お互いに敬意を払うことが医師とのコミュニケーションをうまく成立させるコツです」

 近頃はインターネットや専門書籍で自分の病気について勉強する人も増えている。

「患者さんが自分の知識を得るのはもちろん大事なことです。ただ、それを盾に『先生のやり方は違うのでは』と言われてしまうとムッとする医師もいる。やはり医師はプロとして治療や医療にプライドを持っている。

 だから、もし治療に不安がある場合は『こういうやり方を見たのですが、先生はどう思われますか?』と疑問形で意見を聞くのがいい。会話のキャッチボールを意識してほしいですね」(山本さん)

 医師も人間。相性のいい、自分の体を安心して預けられるパートナーを探したい。

※女性セブン2019年4月18日号

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