賛否分かれる「デリカD:5」のフロントマスク
「デリカD:5」の特徴的な顔
一方、三菱自動車の場合は全車横断的に順次、「ダイナミックシールド」のデザインを採用している。この一連のフロントマスクは、クルマの形状タイプによってかなり印象が変わるのではないか。「デリカD:5」の場合、賛否のうち否の意見のほうが目立ったが、これは一見、スクエアなミニバンライクなクルマであるため、威圧感を一層増してしまう印象がある。
そう感じるのは、最近発売された、三菱自動車の新型軽自動車「ekワゴン」「ekX(クロス)のうち、最新の「ダイナミックシールド」を採用した「ekクロス」は、「デリカD:5」とはだいぶ異なる評価を聞いたし、筆者もそう感じたためだ。たとえば、他の自動車メーカーのある幹部は、
「『デリカD:5』では威圧感があった顔が、軽の『ekクロス』だと、意外に可愛らしさも出ているように感じ、結構、消費者に受け入れられるような気がしていますので、お客さんの反応をウォッチしていきたいですね」
と定点観測したいと語っていた。また、あるモータージャーナリストも、
「『ekクロス』の事前公開写真を見た限りでは、なぜこんなどぎつい顔にするのかと思いましたが、発表会で実車を見ると、意外と違和感がなかった。同じような顔でも、『デリカD:5』より断然しっくりきますね」
と言う。同じスクエアなフォルムに載った「ダイナミックシールド」のデザインでも、ミニバンと違って軽自動車のような小さなサイズだと、威圧感が消えるのだ。
ほかに、昨年3月に発表したSUVの「エクリプスクロス」も、曲線が多用されたフォルムの効果もあってか、それほどいかつい感じは受けない。さらに、タイで人気のピックアップトラック、「トライトン」や、インドネシアでベストセラーカーになったクロスオーバーMPVの「エクスパンダー」も、一昨年から昨年にかけて新しい「ダイナミックシールド」デザインに変わっているが、写真を見る限り、やはり強烈なオラオラモードまでは感じない。