ビジネス

車内販売「#シンカンセンスゴイカタイアイス」はなぜ硬いのか

新幹線車内販売アイスにスプーンを立てるアングルがSNSでは人気

新幹線車内販売アイスにスプーンを立てるアングルがSNSでは人気

 やわらかプリンやふわとろオムレツなど、近ごろの食べ物の流行は「やわらかい」ことが多い。ところが、新幹線の車内販売で食べられるアイスクリームは、すごく硬いことが理由で人気を集めている。ライターの小川裕夫氏が、SNS投稿でも「#シンカンセンスゴイカタイアイス」とハッシュタグつきで数多く投稿され人気を集める、新幹線の車内販売アイスクリームについてレポートする。

 * * *
 ゴールデンウィーク到来。

 平成と令和にまたがる今年は、5月1日が祝日になる。大型連休を見込んで、早くも各地の観光地やレジャー施設が大々的にPRを繰り返している。移動手段になる鉄道でも、各社から企画きっぷの販売が予定されている。

 せっかく鉄道で移動するなら、車内で過ごすひとときも快適で優雅にと考える人も少なくない。スマホとフリーwi-fiを持ち込んで、映画を鑑賞する。新緑まぶしい車窓に目をやりながらのんびりと読書をする。車内では、人それぞれが考える贅沢な過ごし方がある。

 車内で過ごす至福な時間。とりわけ、それを左右する大きな要素に“食”がある。鉄道において、食と言えばすぐに思いつくのは”駅弁”だろう。

 最近は駅弁販売の競争が激化し、種類は充実している。その一方、地方駅の名物駅弁販売業者が店を閉めてしまい、地元ならではの味を楽しめなくなっている。一昔前だったら、食べ物の調達は鉄道乗車前の一連の儀式に組み込まれていた。

 駅弁販売業者を窮地に追いやったのが、駅前のコンビニやエキナカだ。いまや駅前にコンビニがあることは珍しくなく、エキナカにもレストランや売店が充実している。乗車直前に、そうした店で食べ物・飲み物を買い込めば、車内での飲食には困らない。

 コンビニやエキナカの伸張によって打撃を受けたのは、駅弁販売業者だけではない。新幹線や特急列車内での車内販売も、時代とともにサービスを縮小している。

 今年2月にJR東日本は一部の新幹線を除いて、車内販売の廃止・縮小を表明。この発表を受け、「楽しみにしている駅弁が車内で買えなくなる」といった悲痛な叫びが鉄道ファンや旅行好きの間に溢れた。

 JR東日本の発表は、あくまでもすべての車内販売を廃止するという内容ではない。しかし、今後もコンビニ・エキナカの隆盛は続くだろう。そうした情勢から、近い将来に新幹線から車内販売が全廃されてしまうという不安は拭えない。

 駅前にコンビニもあるし、エキナカでも買える。わざわざ車内販売で買う必然性はない。

 しかし、コンビニやエキナカでは絶対に代替できない食べ物が新幹線の車内で販売されている。“シンカンセンスゴイカタイアイス”の異名で知られる、スジャータスーパープレミアムアイスクリームだ。

“シンカンセンスゴイカタイアイス”は、呼び名の通りに驚くほどアイスが硬い。その硬さは、スプーンをさしこんでもアイス表面に突き刺さって立つほどだ。この硬さが話題を呼び、新幹線利用者から「乗ったら絶対に食べたい!」と熱く語られるようになった。最近では、ツイッターやインスタグラムなどのSNSで評判が拡散し、人気はさらに上昇している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン