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2019.04.29 07:00  NEWSポストセブン

海外在住邦人の滞在歴マウンティング 長いだけで上から目線

◆関係作りドイツ派と日本派 価値観の齟齬

 わたしも含め、ドイツで会った多くの日本人はそれに順応して、「ドイツに来てまでどっちが年上とか気にしなくていいよね」なんて言います。というより、「立場や年齢に関わらず互いに尊重しましょうね」。

 しかしそこに、「日本人同士なんだから日本流の人間関係を築くもの」「自分は年上、先輩だから敬われる立場である」と思っている人がいると、互いに期待する振る舞いの認識がズレます。

 滞在歴が長いからといって「いろいろ教えてくださいね」なんて慕ってもらえないし、苦労話をしても「尊敬します」なんてヨイショしてもらえない。先輩はイライラ。後輩は後輩で「この人えらそうだなぁ」「やたら口出ししてくるなぁ」と違和感を覚える。

「ドイツにいるんだからドイツ流の人間関係で」派からすれば、在住歴マウンティングは「先輩風を吹かせたい面倒な人」に思えますが、相手からすれば「日本人同士だから日本的な上下関係が生まれて当然」なのかもしれません。

 どっちが正しい、というわけではありませんが、それなら別会計が当然のドイツでも「先輩だからここは出すよ!」とぜひおごってほしいなぁ、なんて思います。そしたら純真無垢な顔をして「先輩、ありがとうございます!」と言うんだけど。

◆「上下」にこだわらないアドバイスを希望!

 もちろん、滞在歴が無価値というわけではありません。先輩からのアドバイスに助けてもらうこともありますし、親切な「先輩」だってたくさんいます。

 ただ、「わたしの場合はこうだった」「昔こういうことがあった影響なんだよ」と教えてもらえれば「勉強になるなぁ」と思うけど、「わたしの方が長くいるんだから正しいんだぞムキーッ」「自分の言うことを聞かないなんて生意気だぞコラーッ」と言われると、「ドイツに来てまでそれやりますか」となるだけで。

 わたしの場合はむしろ、滞在期間が長くなるにつれ「知らないことばっかりだ」と自分の無知を痛感しているので、すべてを知った気になっている人は今後新しい発見がなくつまらなそうだなぁなんて思っちゃいます。フレッシュな視点のドイツ分析もおもしろいですし。

 とはいえドイツ暮らし5年半を数えそれなりに慣れてきた現在、気づかないうちに「自分のほうがわかってる」先輩ヅラをしているかもしれません。気をつけなければ……。

 海外でまで日本的な「上下」にこだわらず、各々海外生活を楽しみましょう。ということで、解散!

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