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踏切が苦痛だった平成、令和は踏切を満喫する時代

地下鉄銀座線の踏切。踏切の周囲は危険を防止する柵があり、物々しい

地下鉄銀座線の踏切。踏切の周囲は危険を防止する柵があり、物々しい

◆東京メトロ銀座線の踏切が厳重に守られる理由

 上野駅から徒歩数分の場所に、東京メトロ銀座線の車庫がある。この車庫から出庫、または仕事を終えて車庫へと戻ってくる車両が踏切を通過する。

 通常、電車は頭上に張り巡らされた架線から電気を得て走る。しかし、銀座線は架線ではなく、サードレールと呼ばれる第3のレールから集電している。サードレールとは、走行用のレール2本とは別に、電車へ給電するために設置している3本目のレールのこと。多くの電車は、車両の上にあるパンタグラフを使って電線から給電している、一方、銀座線はサードレール方式で給電している。銀座線のこの踏切だけは、サードレールが設置されていない。つまり、銀座線はこの踏切区間だけ惰性で通過している。

 この踏切に立ち、横を向くとサードレールが目に入る。手を伸ばせば手が届きそうな場所にサードレールがあり、万が一にも触れたら危ない。そのため、この踏切一帯は厳重な態勢が敷かれている。

 ここは地下鉄の回送線になるため、頻繁に踏切が閉まることはない。通常は踏切で止められたらアンラッキーだが、ここでは踏切待ちをさせられたら幸運といえるかもしれない。

 今般、開かずの踏切は社会問題化し、行政も鉄道会社も解消に努めている。しかし、開かずの踏切はどんどん立体交差化されて、実のところ踏切待ちは珍しい風景になりつつある。

 踏切待ちが苦痛だった平成は、終わった。令和は、踏切を満喫する時代だ。

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