◆滑りやすいオフロードでもグイグイと曲がってゆく
4月に開催されたトヨタのメディア向け試乗会では、オフロードコースも用意されていました。大きなデコボコを作り、4輪中、どこかの1輪が宙に浮いてしまうようなところも、新型RAV4は簡単にクリアします。急坂を軽々と駆け上がるだけでなく、自動的にゆっくりと降りるダウンヒルアシストコントロールも備わっています。
驚いたのは滑りやすいオフロードコースのコーナーリング性能の高さです。
ダイナミックトルクベクタリング4WDを備えた新型RAV4は、速度を上げてコーナーに突入しても、何事もなかったようにハンドル操作に応じて、ぐいぐいとコーナーの内側にクルマの向きを変えていきます。
普通であれば、ハンドルを切っても、曲がらずに真っ直ぐ飛び出てしまうようなコースとスピードでしたから、これにはびっくり。後輪の左右の回転力を変化させることで、狙った方向にクルマを曲げるという技術です。雪道などでも力を発揮してくれそうな頼もしい技術でした。
コーナーでも狙った方向にハンドル操作ができる
一方、舗装路の走りは、そのスムーズさに感心しました。クルマの土台となるプラットフォームは、TNGAと呼ばれるもので、現行の「プリウス」や「カムリ」「C-HR」にも採用されており、非常に高い評価を得ています。その素性の良さもあって乗り心地が非常に良いのです。
SUVでも広々なラゲッジスペース
さらにハイブリッド・モデルは静粛性が高く、フラットな乗り心地。まるで高級車のようです。しかも、E-FOURのモーター出力は「プリウス」などよりも高められていることもあり、迫力ある加速を見せてくれます。意外に速いんですね。
一方、2リッターのガソリン車のパワーは数値的にハイブリッドに劣りますが、これも意外によく走ります。ハイブリッド車よりも最大で100kgほど軽いため、軽快でスピードのノリが良いのです。よく曲がる、ダイナミックトルクベクタリング4WDは、ガソリン車にしか設定がないので、キビキビと走りたいという方は、エンジン車がおすすめです。
ルックスとオフロード性能は、タフさが強調される新型RAV4でしたが、舗装路の走りは軽快で洗練されたもの。乗用車テイストと言っていいでしょう。タフさと洗練という二面性を備えるのが新型RAV4の特徴と言えるでしょう。乗っていて楽しいクルマでした。
悪路ではタフさも兼ね備えた新型「RAV4」