〈鬱陵島の科学探究をしている朝鮮山岳会学術調査一行は20日、独島踏査隊を組織し、午前5時10分に警備隊の大田号で鬱陵島の道洞港を出てから約4時間半で三峰島を経て、9時50分頃に独島に到着し、生物と地理に関する貴重な収穫を得た。特に(独島の)東島では朝鮮では珍しい海狗(カンチ)をたくさん発見したという〉(朝鮮日報 1947年8月22日)
続いて東亜日報(1956年8月25日)で〈独島の生態〉という見出しで報じられた記事だ。
〈独島周辺には約100匹と推定されるカンチが生息しており、このカンチたちは時々岩石の上に上がって吠えながら遊んだりするが、その鳴き声はまるで子牛が鳴く音にそっくりで、人が近づいてもあまり逃げないという。このカンチは、現在の天然記念物として手厚く保護し、一切狩猟を禁じている。ところで、過去の日本人が独島によく来たのは魚より、このカンチを捕獲するためだったという〉
この記事を見ると、終戦後も独島にカンチが大量に生息していたことがわかる。するとカンチが絶滅したのは日本統治時代ではなく、終戦後の大韓民国の時ということも確かである。しかし、近年ほとんどの本やテレビは「日本人」によってカンチが絶滅したと説明するか、日本人によって絶滅したと思うようにミスリードしている。さらに教科書という「教育」のコースを通じても繰り返し伝えられている。
日本の立場から見れば、腹立たしい話だろう。さらに嘆かわしいことに、終戦後に韓国人が行った「カンチ狩り」についてはちっとも言及せず、隠しているのだ。
※崔碩栄・著『韓国「反日フェイク」の病理学』(小学館)より一部抜粋
【プロフィール】チェ・ソギョン/1972年、韓国ソウル生まれ。高校時代より日本語を勉強し、大学で日本学を専攻。1999年来日し、関東地方の国立大学大学院で教育学修士号を取得。大学院修了後は劇団四季、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなど日本の企業で、国際・開発業務に従事する。その後、ノンフィクション・ライターに転身。著書に『韓国人が書いた 韓国が「反日国家」である本当の理由』、『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(以上、彩図社)、『「反日モンスター」はこうして作られた』(講談社)などがある。