4コマ漫画で解説 督促OL的クレーム緩和術
コールセンターでは電話を取った瞬間に「どうしてくれるんだこの野郎!!」と開口一発罵声が飛んでくることがある。そんな時は驚いて反射的に「申し訳ございません!」と謝罪してしまうことが多い。けれど先に謝ってしまうと、相手とのパワーバランスでこちらが弱くなってしまう。開始直後に主導権を相手に渡すことになるのだ。
それがどんなに理不尽な内容であったとしても、一度決まってしまった力関係を覆すことは難しい。そこで反射的に謝らないようにするために、謝罪の代わりに発する言葉をあらかじめ決めておくことが有効だ。
そのため私はうっかり出てしまいそうになる「申し訳ありません」の代わりに、「どうされましたか?」という言葉をあらかじめ用意し、反射的に謝りそうになったら口から出すと決めている。例えば「どうしてくれるんだ!!」と言われたら、「どうされましたか? なにか不手際がございましたか?」と口に出す。確認であれば謝罪ではないし、相手に優位性を感じさせることはない。
そして、人間の頭は疑問を投げかけられると自然にその答えを考えるようにできているので、ヒートアップしている人間に疑問形の言葉を投げるのは沈静化させる手段としてもオススメだ。
◆理不尽な上司には考え方の違いを明言せよ
顧客相手にクレーム対応をすることもストレスは多いが、嫌な上司に当たってしまうと職場に行くのも気が滅入る。例えば「死ね、殺す」などと恫喝してくるクレーマーほどではないが、大きな声で叱責したり、嫌味なことを言ってくる上司もいる。そんなパワハラ上司に当たってしまった時はどう言い返せばいいのだろうか。
クレーマーが電話オペレータに罵詈雑言を投げつけてくるのは、オペレータが言い返さない立場にいることと、「怒るのはコイツの為だ」という歪んだ認知を持っていることが原因なのだ。クレーマーは意識的にせよ無意識にせよ「こいつはひどいことを言っても言い返さない人間だし、俺が怒るのは相手の為だ」という認知の元で電話をかけてくる。
実はパワハラ上司の思考もクレーマーにとても近い。上司が部下にパワハラを行うのは「部下だから叱責していいし、叱責するのは部下の為だ」と認知しているからだ。そこで言い返すには、「自分はあなたにいじめられていい立場ではない」というスタンスを明確に示すことが重要だ。
例えばコールセンターにお客様が怒ってクレームの電話をかけてくる場合、「気に入らない」「対応が不親切だ」といった、お客様の主観によって生まれているクレームも多い。その場合は、相手の主観を否定する言い返し方をする。
「当社では○○となっております」
「会社の基準でこういう対応をすることになっております」
そう伝えると「不親切だ」「サービスが悪い」と言われるが、ここで謝らず「改善点として会社にお伝えします」とだけ言い切る。あくまで、あなたの考え方はあなたの考え方、当社の考え方は違う、ということを明言するためだ。