◆日本でしか手に入らない!
海外客が来日してまでレコードを探すのはなぜか。栗本さんが分析する。
「達郎さんや竹内さんの楽曲は、iTunesやSpotifyなど、音楽ストリーミングサービスで配信されている曲が少ない。そうなるとCDやレコードの現物で聴くしかないが、自分の国には、輸入されていないといった現象が起きている。“2人の曲を聴くには、日本で買うしかない”というプレミア感も、海外のファンの心をくすぐるのでしょう」
そもそも、2人の楽曲には、海外の音楽マニアを熱くさせる魅力が詰まっているとも。
「なんといっても音楽のクオリティーが素晴らしい。米英のポップスや、ソウルの影響を受けながらも、自分の中で咀嚼し昇華させて、“日本オリジナルの音楽”という形でアウトプットしている。達郎さんの『あまく危険な香り』は1970年代アメリカのカーティス・メイフィールドの音楽を引用していますが“あの曲と似ている”とはまったく感じさせない、達郎さんならではの楽曲になっています。
竹内さんの曲もアメリカの1960年代ポップスをモチーフにした曲が多いものの、あの歌声や世界観が日本のオリジナル音楽となっている。洋楽かぶれしていないといった点が欧米の人たちには新鮮に感じられるのだと思います」(栗本さん)
洋楽から影響を受けながらもオリジナルの音楽を確立させた山下と竹内。2人の楽曲が世界中から人を呼び寄せ、まさかの国際交流になっているようだ。
※女性セブン2019年6月6日号