もちろん、ジャニーズ事務所のアイドルたちは握手会を頻繁に開催していないから、ファンが公共交通機関で迷惑行為をしている、ということではありません。大多数のファンは握手会がなくても、節度を持って応援しています。握手会があろうがなかろうが、マナーを守らないファンが絶対的に悪いことは間違いない。ただ、握手会のおかげで迷惑行為に至らずに済んだこともあるのでは……という話です」(大塚氏・以下同)
たしかに、握手会のようなファンとアイドルとの接点が、迷惑行為を抑制している側面があるのは間違いないのかもしれない。しかし、逆に握手会をきっかけにメンバーとファンとの距離が近くなりすぎてしまい、“私的な繋がり”が生じてしまう危険性もある。
「“繋がり”が生じるのは、ライブハウスなどで活動するアイドルや地方アイドルによくあるケース。私的な繋がりが生じたからといって、迷惑行為が増えるとは言えませんが、少なくとも“繋がり”はアイドル業界においては御法度。特定のファンを特別扱いするということであり、ほかのファンに対する裏切り。アイドルの運営を妨げるという意味ではまさに迷惑行為です。もちろん“繋がり”の場合は、メンバーにも責任があるという点でちょっと問題点が異なりますね」
ファンの迷惑行為を減らすにはどうすればいいのだろうか。
「迷惑行為が発見された場合は出入り禁止にするなどの厳格なルールを設定をすることはある程度の効果があると思います。しかし、公共交通機関での迷惑行為となると出入り禁止だけではどうにもならない。また、メンバーたちのスケジュールやプライバシーに関する情報がもれないように何らかの工夫も必要でしょうが、待ち伏せのようなことをされてしまうと、すぐにバレてしまう可能性も高い。残念ながら、現時点では効果的な対策はまだないという状態ですね。結局のところ、ファンに対して根気強くマナー改善を訴えかけるほかないのかもしれません」
アイドルたちの苦悩は、まだまだ続きそうだ。