都道府県や政令市の精神保健福祉センターなどには「ひきこもり地域支援センター」が設置され、社会福祉士や精神保健福祉士らが相談に乗る。また各自治体の役場や社会福祉協議会には「生活困窮支援制度」の相談窓口があり、引きこもりの相談を受け付ける。
特定NPO法人「全国ひきこもり家族会連合会」など、民間の支援団体を訪れる手もある。今は、川崎と練馬の事件に触発され、全国から支援団体への電話相談が急増しているという。
「個人差もありますが、長引くほど本人が外に出ることが怖くなり、解決が難しくなるケースが目立ちます。たとえば2年間引きこもった後に支援を開始すると回復までに2年程度かかるといった印象があります。早ければ早いほどよいのでご家族だけでも相談にきてほしい」(引きこもりを支援するNPO法人CNSネットワーク協議会代表の後藤美穂氏)
その状態が長引いていても解決の手段はある。引きこもりを支援するNPO法人『ニュースタート事務局』理事長の二神能基(ふたがみ・のうき)氏が語る。
「家にこもる期間が長くなり子供が高齢化するほど、『もう相談してもムダだ』と諦めてしまうケースが多い。しかし、いま世の中は人手不足で、就労の機会が増えている。そこで引きこもりの人たちに『人のためになる仕事をしませんか』と呼びかけると、心に響きやすい。
そういう人は自己肯定感が著しく低く、“自分はダメな人間だ”と思っているので、人のために役立つことができれば苦境から抜け出しやすい。特に40~50代は若い世代より苦しんだ期間が長い分、“今までできなかった社会貢献がしたい”という欲求も強い」