芸能

柳家権太楼 全編に独自演出を施した目からウロコの『鼠穴』

柳家権太楼の「鼠穴」は何がスゴイ?(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、柳家権太楼が「嫌い」と避けてきた『鼠穴』に独自演出を施した初演の衝撃についてお届けする。

 * * *
 柳家権太楼が、これまで「嫌いな噺だ」と避けてきた『鼠穴』を5月13日の「権太楼ざんまい」(日本橋劇場)で初演した。権太楼は「東京かわら版」4月号の巻頭インタビューで『鼠穴』はできないと発言したばかり。それだけに一層驚いた。

 4年前、『鼠穴』を演ってくれと言われた時に色々考えたが、結論は「俺が演る噺じゃない」。だがここへ来て「演らなかったら悔いが残る」と思ったのだと権太楼は言う。

 そして演じた『鼠穴』。これが、圧巻の出来だった。冒頭から「目からウロコ」の新展開、全編に独自の演出を施して、権太楼は筋の通ったドラマを新たに創作した。

 田舎から江戸に来た竹次郎に兄が貸したのはたったの三文。途方に暮れた竹次郎が空腹で倒れそうになっていると、通りがかりの親切な江戸っ子が自分の長屋に連れて行き、大家に話をして物置に住まわせる。やがて竹次郎の人柄を認めた大家が身元引受人となり、竹次郎は長屋で一人前の暮らしができるように。

 草鞋などを懸命に作って売りに出る竹次郎。その評判を聞いた深川の香具師の元締めがやって来て、商品の一手販売を申し出る。販路が広がり稼ぎが増えた竹次郎は、長屋のおかみさん連中の世話で働き者の女房をもらい、はなという女の子も生まれた。そんな竹次郎に元締めが、今度は「質屋をやらないか」と話を持ってきた。昵懇の質屋が体を壊し、居抜きで店を譲る相手を探しているという。「ガキの頃からの友達が番頭だ、安心しろ」と言われ、竹次郎は深川蛤町の質屋の主人となる。

関連キーワード

トピックス

CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン
アスレジャー姿で飛行機に乗る際に咎められたそう(サラ・ブレイク・チークさんのXより)
《大きな胸でアスレジャーは禁止なの?》モデルも苦言…飛行機内での“不適切な服装”めぐり物議、米・運輸長官がドレスコードに注意喚起「パジャマの着用はやめないか」
NEWSポストセブン
(左から)小林夢果、川崎春花、阿部未悠(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫の余波》女子ゴルフ「シード権」の顔ぶれが激変も川崎春花がシード落ち…ベテランプロは「この1年は禊ということになるのでしょう」
NEWSポストセブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン