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清の西太后 食費に1日1000万円使い70才でも白髪知らず

徹底的に若さを追求したという則天武后(イラスト/アフロ)

 史実に残る“美女”たちの食生活をのぞいてみると、そこには美貌を保つために食材や摂取法にこだわりぬいた貪欲な姿が垣間見える──。

◆則天武后 美肌は漢方で性豪はうずら酒で

 中国史上唯一の女帝となった則天武后(そくてんぶこう)は、史実では残虐な方法で後宮のライバルたちを次々と亡き者とした女傑だが、その美貌は人を惑わすほどだったという。作家・歴史エッセイストの堀江宏樹さんはこう話す。

「不老不死を掲げて徹底的に若さを追求し、高齢になっても肌つやがよく若々しかったといい、その秘薬が『新修本草』という生薬の経典に収められています。中国で古くから婦人薬として用いられた益母草(やくもそう)の粉末が使われていたそうです」

 漢方薬に詳しい、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんによると、益母草には肌荒れなどの炎症を抑え、抗酸化作用もあるという。

「さらに血行促進作用もあるので、血色もよくなるでしょう」(柴さん)

 則天武后が40~50代の頃、15才に見えるほど肌がつやつやだったといわれるのは、この漢方の恩恵だったのかも。

 また強壮・強精剤でも若さをキープしていたとされ、齢60を超えて男だけの後宮をつくったり、

「武后酒」なる媚酒を酌み交わしながら性を貪ったとされる。これはうずらの肉を漬け込んだ酒。白澤抗加齢医学研究所の所長で医学博士の白澤卓二さんが説明する。

「うずらの肉は高たんぱく・低脂肪で鉄分を多く含み、貧血予防にも効果的。スタミナ食にもうってつけです」

◆西太后 山いもと黒ごまで生涯白髪知らず

生涯白髪知らずだったという西太后(写真/Getty Images)

 清の咸豊帝(かんぽうてい)の妃で、中国史上屈指の美食家と称された西太后は、72才まで宮廷で美容食を追究。日本食に通じるレシピも数多く、『歴史を織りなす女性たちの美容文化史』(講談社)の著書もある美容家のジェニー牛山さんも家庭料理に取り入れているという。

「食費は今の通貨に換算すると、1日1000万円ともいわれ、食卓には山海の珍味が100皿以上並んだといわれています」(牛山さん)

 宮廷ではアンチエイジング食などさまざまな健康食を作っていた。

「簡単な料理も多く、山いもをふかした『ふかし山いも』や油揚げで包んで焼いた『山いもの袋焼き』は、私と娘もよく作ります。

 満70才の西太后の髪はカラスの濡れ羽のようにしっとり美しかったそうですが、彼女は黒ごまも好んでいたようです」(牛山さん)

 使われる山いもと黒ごまは、女性にうってつけだ。

「山いもに含まれるジオスゲニンは、加齢で減少する若返りホルモンのDHEAと同じ働きをします。黒ごまにも若返りビタミンといわれるビタミンEが多く含まれ、ホルモン様物質が豊富で髪の老化を防ぎ健康で美しい髪を育ててくれます」(白澤さん)

※女性セブン2019年7月11日号

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