厚労省新ガイドラインの「要注意薬リスト」代表的な薬剤
「認知症患者に対して漫然と処方されやすい薬ですが、フランス当局は昨年8月から『薬の有用性が不充分』として、医療保険の適用範囲から外しています。たしかに効果がわかりにくいうえに薬価が高く、下痢やめまい、吐き気などの副作用が起きやすい薬です」
フランスで保険適用外となった認知症治療薬は、「アリセプト」「レミニール」「イクセロン」「リバスタッチ」そして「メマリー」だ。高瀬さんも「アリセプト」について、こう言い添える。
「よく処方される薬ですが、服用によって逆に症状が安定しなくなったりすることも経験しています。また、ヒスタミン受容体拮抗薬との併用は注意するように記載されていますが、これは市販のかぜ薬にも含まれる成分。しかも人により感受性が異なりますので、医師によるしっかりした管理下で使う必要があります」
多くの高齢女性がのむ骨粗しょう症治療薬も、服用には慎重さが求められる。
「経口ビスホスホネート製剤の『ボノテオ』『リカルボン』『ボナロン』『フォサマック』などは、1か月分や1週間分が1錠になるなど、成分がかなり凝縮されている。のどに引っかかったり、胃の壁面にくっついてしまうと、粘膜が破壊されてしまうなどの心配があります。『コップ1杯以上の水でのむ』とか『のんだ後30分は横にならない』などと定められ、のみ方を守らないと副作用を誘発してしまいます。また、カルシウム製剤やビタミンD3製剤と併用されることも多いのですが、この組み合わせには『高カルシウム血症』など重篤な副作用も存在します」(長澤さん)
※女性セブン2019年7月18日号
厚労省「要注意薬リスト」代表的な薬剤【その2】
厚労省「要注意薬リスト」代表的な薬剤【その3】