厚労省新ガイドラインの「要注意薬リスト」代表的な薬剤

「もう1つの原因は、体内の水分量が減ることです。赤ちゃんはピチピチの肌ですが、高齢になるとカサカサになっていくように、加齢で水分量が減るのは避けられないこと。赤ちゃんの体内水分量は80%ですが、成人で60%、60代で50%といわれています。15~20%も体内水分量が減っているのに20代と同じ量の薬が入ってきたら、体内で濃度が高くなってしまうのは自明です」

 つまり、若い時と比べて薬の量が少なくても効くのに、そこに多剤服用も加わったら、体に悪影響が出るのは火を見るよりも明らかというわけだ。

 そういった事態を避けるために、私たちができることはなんなのだろうか。

「私は、おくすり手帳の活用をおすすめしたい。薬剤師だけでなく、診察するすべての医師に手帳を見せて、どういった病気でどんな薬をのんでいるのかを横断的に確認したうえで処方してもらうことができるからです。注意事項としては、1人1冊で使うこと。なかには病院ごとに手帳を分けている人がいますが、それでは意味がありません」

 また、薬剤師を活用してほしいと言うのは、たかせクリニック理事長で医師の高瀬義昌さんだ。

「患者に処方されている全部の薬を把握している、かかりつけのドクターがいるのがベストですが、複数の病院にかかっていて難しいこともあるでしょう。そこで、薬のプロで、後発医薬品なども含めた最新情報にも通じている薬剤師さんに頼ることをおすすめします。今まで薬剤師さんは“陰の存在”になりがちでしたが、多剤服用の問題をきっかけに注目が集まりつつあります」

 薬は病気から救ってくれる味方だが、場合によっては毒にもなりうる。医師と薬剤師というそれぞれのプロの力を借りながら、うまくつきあっていくべきだ。

※女性セブン2019年7月18日号

厚労省「要注意薬リスト」代表的な薬剤【その2】

厚労省「要注意薬リスト」代表的な薬剤【その3】

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