リストラ実施企業の業績変化

リストラ実施企業の業績変化

 100万円を超える平均年収の上昇を記録した企業もある。利益を社員に還元する姿勢の表われともとれるが、平均年齢の上下と同調する場合も多く、これもやはり一概には言えない。

 企業の“貯金”である内部留保を極端に増やした企業もあった。通信大手の「KDDI」はリストラ前の10倍、自動車メーカーの「マツダ」は実に25倍だ。

「企業の健全性という側面から言えば、内部留保が増すことは悪いことではありません。新規事業やM&Aに打って出るための“軍資金”という場合もある。ただ、リストラや株価下落後に極端に増加している場合、“社員にも株主にも顧客にも還元せず、経営側が貯め込んでいる”と批判されることもある」(同前)

 投資家からの“企業の評価”である株価が半額以下に暴落したケースもある。

「投資家は目先の数字だけではなく、今後の事業計画を踏まえて鋭い目で企業の将来を見据えています。売上や利益が改善していても、株価が大きく落ちているのであれば、投資家が企業体質や経営陣の中長期的ビジョンに疑問を持っている可能性が高い」(同前)

 これらのポイントを総合的に判断し、福田氏が各企業のリストラの「成功と失敗」を3段階で評価した。

「評価の基準は、売上と利益、そこから導き出される利益率。ただし、それらがプラスであっても、社員の平均年齢や平均年収の推移など、今後の企業活動を左右する要素を適宜考慮しました。

 ソニーや資生堂など“笑顔”の企業は、リストラが業績の回復はもちろん、将来の安定成長につながっていると判断できる企業です。対して、東芝や日本電気(NEC)など“困り顔”の企業は、長期スパンでの展望が不透明といえる」(同前)

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン