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頭がいい子の新常識 塾の宿題を「捨てる力」が重要

宿題を全部やらなくていい

宿題を全部やらななくていい(写真/ゲッティイメージズ)

《この夏、本気の自分に目覚めよう》《この夏一気に、学力アップ》。まもなくやってくる長い夏休みに向けて、進学塾が夏期講習の宣伝に火花を散らす。

 少子化ではあるものの、大学全入時代に突入し、受験人口は増加の一途を辿っている。都市部を中心に、中学受験も市民権を得て久しい。

 受験の世界では、よく「夏を制する者は受験を制す」や「夏は受験の天王山」といわれる。実際、東進ハイスクールの調査によれば、難関大学に合格した高校3年生の夏の平均勉強時間は、なんと8時間を超える。やはり、40日以上の長期にわたって時間が取れる夏が重要だということには根拠があるようだ。

 もちろん朝から晩までねじり鉢巻きでガリガリ勉強する子供は昔もいたが、その中身は今の親世代のそれとは激変している。特に2021年から大学入試センター試験に代わって始まる新しい共通試験「大学入学共通テスト」では、求められる内容がガラリと変わる。

 センター試験は知識や技能が問われる問題が大半を占め、マークシート式で行われていたが、新テストでは知識や技能に加えて、思考力や判断力、活用力などが重視された試験になるのだ。

 大手進学塾「市進学院」ウイングキッズ指導室室長の飯嶋洋平さんが解説する。

「具体的には、複数の選択肢が正答となったり、『解答なし』という選択肢が導入されたり、記述式の問題も登場します。

 また、一般入試でも主体性を評価するための面接を導入したり、志望理由書の提出を義務づけたりする大学も増加する。

 つまり、これから試験を受ける子供たちは英単語を暗記したり数式を繰り返し解いて解答パターンを体に染みこませたりといった勉強に加え、表現力や文章力、コミュニケーション能力などさまざまな力を身につけなければならないのです」

 そうなると、ますます親の役割も重くなるわけだが、受験にどんな変化があったとしても「わが子にもなんとか“できる子”になってほしい」と考えるのは親の常だ。だが、そんな切なる思いでとった行動が、実は子供にとって“NG行動”に該当するかもしれない。

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