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ペットのマイクロチップの登録が右肩上がり、費用と副作用

マイクロチップは名札の役割をしてくれる(Ph:Getty Images)

 住所や名前を言えないペットに代わり“名札”の役割をしてくれるマイクロチップ。ペットが迷子になった時に見つけやすい、遺棄や虐待の防止にもつながるなどの理由から今、注目を集めている。今回はそんなマイクロチップの“い・ろ・は”を紹介する。

 マイクロチップとは、直径約1~2mm、長さ約8~12mmの円筒形の電子標識器具のこと。内部のチップには15桁の個体識別番号が記録してあり、二つと同じものはない。

 万が一、迷子や災害、事故などで飼い主とはぐれてしまっても、チップの番号をリーダーと呼ばれる専用の機械で読み取り、データベースに登録されている飼い主の情報と照合することで、飼い主を特定できる。

「一度、動物の体内に装着すると半永久的に読み取りが可能です。首輪や名札のように外れて落ちる心配もないので、欧米を中心に世界中で身元証明の方法として用いられています」(日本獣医師会・以下同)

 近年、日本でもマイクロチップの使用者は増えており、日本獣医師会によると、昨年度新たにマイクロチップを装着、登録した犬の頭数は17万7523件、猫は6万9059件で過去最多を記録。犬猫とその他の動物を含む累計の登録件数も約203万件で、年々右肩上がりに伸びているという(2019年7月11日現在)。

 マイクロチップのデータを読み取るリーダーは、全国の動物愛護センターや保健所、動物病院や一部の警察署などに配備されている。さらに、マイクロチップの装着は、犬猫以外も可能で「動物愛護管理法」や「外来生物法」で装着が義務付けられている動物もいる。

 今年の6月12日、犬猫等販売業者に対してマイクロチップの装着義務化を柱とした改正動物愛護法が参院本会議で可決、成立した。今後、公布から3年以内に施行されることとなる。

「今回の改正で義務付けられたのは、犬猫等販売業者(いわゆるペットショップなど)のみが対象となっています。すでに犬や猫を飼っている人や、保護猫や野良猫を迎え入れた場合は対象外で“努力義務”にとどまっています」

 ペットショップで購入した場合は、マイクロチップが装着されているが、それ以外はあくまで“任意”であり、装着の判断は飼い主に委ねられるということだ。

 では、マイクロチップはどのように装着するのか。

「マイクロチップの装着は獣医療行為にあたり、獣医師が専用の注射器を使って行います。犬は生後2週齢、猫は生後4週齢から装着ができるといわれていますが、個体差もあるので、かかりつけの動物病院に相談してください」 

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