芸能

多部未華子演じる経理部員 「不正領収書」がなぜわかるのか

番組公式HPより

「会社の経理の話なんてドラマになるのか」という大方の予想を裏切って、『これは経費で落ちません!』(NHK、金曜夜10時)が初回視聴率6.5%を獲得した。これは同枠のこれまでの視聴率や、他局に「金曜ロードショー」など強敵が揃っていることを加味すれば、上々の出来と言えるだろう。

 多部未華子演じる経理部の中堅社員・森若沙名子が他部署の不正を次々暴いていく、お気楽、痛快路線かと思えば、実際見てみると、経理という仕事の深層に迫っていく本格派ドラマであることがわかる。

 その中で取り沙汰されるのが、領収書の不備、不正の問題である。領収書の場合、不正といってもその程度はいろいろだ。本人が勘違いしていたとか、これくらい認められるだろうと安易に考えていたような意図しないものから、確信犯的なものまでさまざまある。

 第1話では、営業部の若手エース・山田太陽(重岡大毅)が領収書の費目を取り違えていたケースを扱ったが、第2話では広報課で広告塔の役割もこなす皆瀬織子(片瀬那奈)の公私混同にクギを刺す場面もあった。取材を受ける際に着る服を「衣装代」として経費にしていたのである。出された明細には「ワンピース87000円」の文字が──。

 領収書の不正にはどんなパターンがあるのか。数社の大手企業で経理部長を務めた後「フリーランスの経理部長」として活動し、『職場がヤバい! 不正に走る普通の人たち』(日本経済新聞出版社)の著書がある前田康二郎氏に聞いた。

「領収書の不正は主に3パターンあります。【1】私物の領収書を紛れ込ませる、【2】数字を書き足すなど領収書の改ざん、【3】は【1】と【2】のミックス。たとえば、行きつけの飲食店で白紙の領収書をもらって金額を書き込んで提出するような場合です」(前田氏)

 第2話では、広報部の皆瀬織子がCM制作用カメラの購入費として40万円の領収書を提出してきた。森若は、「カメラはCM制作会社が用意するものでは?」と疑問を持つ。実は、皆瀬の年下の夫は売れない映画俳優兼監督だった。そしてその夫が件のカメラを使って自主製作映画を撮影していたことを、森若は突き止める。つまり、皆瀬は会社の経費で、夫のためのカメラを買ったのではないか。

 それでも広報部の稟議も下りているし、今後マークしようということで経理部内では話がつく。このような場合は、【1】の中でもやや確信犯に近いケースと言えるのではないだろうか。

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン