ドローンも人が操縦しない「自動運転」の時代へ

ドローンも人が操縦しない「自動運転」の時代へ

◆ドローンも「自動運転」時代へ

 今後、ドローンが進化すると、ドローン保険も変化していくといわれている。

 現在のドローン保険では、操縦者が重要な要素の1つとされている。これは、熟練の操縦者と新人の操縦者では、事故の発生確率や事故発生時の対応能力が大きく異なるためである。

 しかし、今後のドローン保険では、操縦者の重要性は低下していくかもしれない。これからのドローンの展開として、有視界外(※注/Beyond Visual Line- Of- Sight=BVLOS)の操縦が可能になりそうだからだ。

※注/BVLOSは、山などの障害物による電波の直接送信の可否により、電波見通し内(Radio Line-Of-Sight=RLOS)と、電波見通し外(Beyond Radio Line- Of- Sight=BRLOS)に分けられる。現在、衛星や他のドローンを中継して電波を送信することによって、BRLOSでの運航を可能とする技術の開発が進められている。

 現在の有視界内から、その外への運航範囲の拡大だ。この拡大に伴い、ドローンは人間が操縦するかわりに、自動操縦で目的地まで進むものに変わっていく。

 BVLOSでのドローンの運航は、ちょうど自動車の自動運転と似ている。自動運転では、レベルが上がると運転者が行う操作が減り、最終的には、運転者そのものが必要でなくなる。ドローンも同じで、BVLOSでの運航では、操縦者の代わりに自律飛行制御技術が活用されるようになるのだ。

 そうなると、ドローン保険の賠償責任補償の中身も変わってくるだろう。BVLOSで運航するドローンで事故が発生した場合、保険はどのような補償を行うべきか──。これは、自動車の自動運転と同様、人による操縦を超えた範囲での事故をどうカバーすべきかという課題である。ドローンの運用者の責任だけではなく、機体や電波制御装置などの製造者責任が問われる可能性も出てくるだろう。

 これからは、ドローンの進化とともに、ドローン保険の補償のあり方についても議論が進んでいくはずだ。引き続き、その動向に注意していくべきだろう。

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