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投資の儲けを熔かし親の通帳を偽造した中国人大学生の末路

若気の至りでは済まない事態に(アフロ)

 親子関係においても金銭を詐取する行為は厳罰に処される可能性がある。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 若気の至りというか、まあ、やってしまいがちな過ちとの印象も否めないが、これが中国の金融票証偽造罪に抵触するとなれば、そんな軽い話では済まない。6月14日『揚子江晩報』が報じた記事、〈彼女の歓心を買うため、母親の貯金28万元(約420万円)を費やした大学生が通帳を偽造〉は、若い男の陥りやすい事件を紹介している。

 発端は陸という大学生が大学に入学したばかりの2014年にさかのぼる。彼はインターネットのプラットフォームで少額の投資に手を出した。といっても最初から大金を儲けるとは考えていなかったのだろう。

 だが、ビギナーズラックなのか、彼の少額な投資は次々と成功し、ついには大学内でもちょっとした成功者とみられるほどの存在になっていった。友人を誘って大宴会を広くこともあり、友人たちは陸を「土豪」とよぶまでになったともいう。

 陸には当時、付き合っている彼女がいて、彼女もそんな陸にとても満足していたというのだ。だが、好事魔多し──。陸の投資は失敗が続き、瞬く間に資金を失ってしまうのだ。

 それでも一度友人たちに認められた地位は簡単には手ばせない。投資が失敗していても成功者としての振る舞いは続けたかったのだろう。陸は、高利貸しに借金を重ねながら豪遊し、彼女にも高額なプレゼントをし続けたのだった。気が付いてみれば、その額はなんと28万元。とても自分一人で何とかできる状態ではなくなっていた。

 そこで母の通帳を探すと、2つあり、それぞれ23万元と5万元あった。奇妙なことに借金の額と同じだったのだ。

 あとは、想像の通りの展開だ。母親が銀行に通帳を持っていったときに、通帳の色の違いに気が付いて警察に通報。御用となった。それにしても、もし金融票証偽造罪で有罪なら、10年以上無期懲役という罰が待っているから、親の金に手を出すのも大きなリスクだ。

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