不動産仲介会社には、誰もが知る「大手系」や地域密着の「中堅・地場系」、「ネット系」などに大別される。大手系は他に比べ相対的に人材の質は高く、契約関係書類が整備されている一方で、仲介手数料の値引きは基本的に応じない。広告宣伝費や人件費、店舗維持費などのランニングコストが高いためだ。
「中堅・地場系」は玉石混交だ。顧客満足を目指してしっかりと仕事をしている会社もあれば、自社の売り上げしか念頭にないところもある。人材や契約関係書類のクオリティーもまちまち。仲介手数料の値引きに応じてくれるところもある。
ネット系はムダな広告費や人件費、店舗出店や運営費などのコストをかけず、ローコストな事業運営で仲介手数料を値引きしてくれる。いま、不動産を探している人はほとんどインターネットを活用しており、ネット中心なら駅前一等立地などに店舗を構える必要もない。大手ブランドなどの「名」より「実」をとりたい人向きといえる。ところがこのネット系もやはり玉石混交だ。
肝心の売り出し価格は相場から10%以上乖離(かいり)すると、とたんに問い合わせが減少して売れなくなる。長く売れないと「売れ残り」のイメージがつくため、遅くとも1か月程度で売却したい。
価格のつけ方にもポイントがある。「5100万円」とするより「4980万円」で売りに出したほうが、検索には格段にヒットしやすい。「5000万円まで」として検索する人は多いが、「5100万円まで」として検索する人はめったにいないからだ。
売却活動がスタートしたら、まずはマンションの「第一印象」を大事にしたい。玄関周りをはじめ、各居室内など、整理整頓されていると印象が大きくアップする。玄関を開け、靴などが散乱しているなど、生活をそのまま見せるのはそれだけで大きなマイナスポイントになる。キッチン、洗面室、トイレなどの「水まわり」は専門の清掃業者に頼んででもきれいにしておこう。
案内時には 「明るさ」を強調したい。雨戸やカーテンはなるべく開け、開放感を演出しよう。気持ちのよい風が入ってくる窓を開けておくと、高感度は大幅にアップする。室内にこもりがちな臭いもなくなる。日当たりが悪いなど、明るくない部屋や廊下は電気をつけておくと効果的だ。