ビジネス

マンション売却 高い査定を出す仲介会社が信用できない訳

マンション売却は不動産仲介会社の選定から始まる

マンション売却は不動産仲介会社の選定から始まる

 消費税増税前の駆け込み需要も見越して、マンションの売却を考えている人はいるだろう。しかし、不動産仲介会社の選定から、売り出し価格の相場など、素人では分からないことは多い。そこで、不動産コンサルタントの長嶋修氏が、マンションを早く高く売る方法や注意点をアドバイスする。

 * * *
 マンションを売りに出す場合、一般的には価格査定を不動産仲介会社に依頼するが、一社の査定だけでは価格の妥当性について相場観をつかめないため、複数社に査定依頼することが重要だ。

 実際にはどこの査定価格にも大差はなく、その幅はせいぜい前後5%のレンジに収まるだろう。宅地建物取引業を行っている不動産仲介会社は「REINS(レインズ)」という不動産情報ネットワークでつながれており、これらの成約・売出し中事例を見ながら査定価格を出すためだ。

 複数社に依頼した場合、まず異常に高い価格を出してきた会社は見送ろう。3社に査定を依頼し、「A社5000万円」「B社 4980万円」「C社6000万円」なら、C社は論外ということになる。売却の依頼をもらいたいがために、売れもしない査定価格を出している可能性が高いためだ。

 売りに出されたあなたの物件は、不動産の売買を1社だけに依頼する「専任媒介契約」であれば必ず前出のレインズネットワークに登録され、瞬時にすべての不動産仲介会社に情報が共有されるため、どこか特定の会社だけが高く売ることができることは論理的にありえない。そもそも不動産には相場というものがある。名の通った大手仲介会社でも平気でこういうことをするから気をつけたい。

 また、物件情報を囲い込まないかも確認したい。不動産仲介会社は契約が成立すると、売り主から3%+6万円(税別)の仲介手数料を受け取るが、自らが売り主・買い主双方の仲介を担当すれば、合計6%+12万円(税別)と2倍の手数料を受け取れる。したがってネットワークシステムに物件を登録しなかったり、他業者から物件の有無を問われても「話が入っている」「契約予定」などと返答して物件を自社で囲い込むケースが散見される。

 これは売り主への背信行為だが、やはり大手でも平気でこういうことをしている。どこに売却を依頼する場合でも、「情報の囲い込みはやめてくださいね」と注意喚起したほうがいい。「別の会社からダミーで物件のお問い合わせをすることでチェックします」などと念押しすると、さらに効果的かもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン