◆バブル崩壊直後にTバックが普及
日本の女性の下着は、経済や社会背景とリンクすると青山氏は説く。
「女性の権利や人権が盛んに訴えられていた1978年に、着脱が楽で背中がスッキリとしたフロントホックブラが発売されます。1980年代後半のバブル経済期にはイヴ・サンローランなどの海外高級下着ブームが起き、高級志向の時代を迎えます。またディスコで着るボディコンがブームになるとTバックが流行しました。“寄せて上げて”と胸の谷間づくりを強調するTVCMが流行語になった『グッドアップブラ』もこの時期です」
Tバックは、1930年代にニューヨークのナイトクラブでストリッパーが紐状のGストリングを着用し、日本にも1970年代に輸入されたが、利用するのはもっぱら水商売の女性でブームにはならなかった。
最もポピュラーなフロントとバックがVの字のTバック(タンガ)が世界で初めて商品化されたのは1979年。そのフランスの下着メーカーの日本法人が1990年に設立され、前述のボディコンブームと相まって日本の一般女性の間にもTバックが普及するようになった。
「2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災が起きると、高価で華美な物を避け、リーズナブルでリラックスできるユニクロのブラトップが流行していきます」(青山氏)