そんな中、「インスタグラム」は今年7月、いじめ対策の機能を拡充すると発表。投稿前の不適切なコメントをAIが検出して利用者に警告したり、特定のアカウントのコメントを非表示にできるという。果たしてこの機能は有効なのか。国立大学附属中学校の校長で、いじめ問題を研究する千葉大学教育学部教授の藤川大祐さんはこう話す。
「悪意なく人を傷つけてしまうケースには有効かもしれませんが、確信犯には通用しないでしょう。SNSいじめの加害者はバレることを警戒しています。ですから、“死ね”などの明確に不快な言葉では攻撃しません。被害者だけが傷つく言葉を選んで発信するのです」(藤川さん)
とはいえ、社会全体がいじめに関心を持つことは、大いに意義があるという。
「中学生・高校生は“空気感”を大切にします。親や先生、同級生がいじめに注意を払うようになり、“SNSに悪口を書くと大ごとになるかも”という空気が広がれば、やりづらくなる可能性はあります」(藤川さん)
※女性セブン2019年9月19日号