令和の時代になって新米市場を活気づけているのは、品種改良によって旨さや食感を追求した「新ブランド」だ。“お米の博士号”と言われる「五ツ星お米マイスター」の資格を持つ「玄米耕房 亀太商店」代表の市野澤利明氏が解説する。
「時代の変わり目ということで『平成最後』や『令和初』というタイミングに合わせて、全国各地で新たな品種が生産されています。味に力を入れた銘柄が本格的に流通に乗ってきているのです」
とはいえ、数多くあるブランドの中から自分好みの味を探し出すのは難しい。そこで、日本穀物検定協会が「特A」にランク付けした銘柄の中から、2人の五ツ星お米マイスターに8銘柄を厳選してもらった。
近年デビューした銘柄の特徴として多いのが、「甘み」や「もっちり感」に特化したブランドだ。市野澤氏が選んだのは、今年から本格的に流通がスタートする「富富富(ふふふ)」(富山)だ。
「甘みが強く、噛むほどにもっちりとした食感が楽しめる。濃い味付けにも負けないので洋食に合います。昨年は流通量が少なく、販売店への玄米での供給もありませんでしたが、今年から市場に出始めます」
2018年にデビューした「雪若丸」(山形)も注目の品種だ。五ツ星お米マイスターの米専門店「スズノブ」代表の西島豊造氏はこう話す。
「栽培量が増え、今年から本格的に流通する品種です。8年連続で特Aに選ばれている『つや姫』の“弟分”的なブランドで、しっかりとした粒立ちに加えて弾力がある。カレーやチャーハン、丼ものなどに使うと個性が引き立ちます」