ライフ

天然由来の着色料 微量でもアレルゲンになるケースも

消費者庁もコチニール色素に注意喚起(写真/AFLO)

 今年6月、ツイッターに投稿された“コンビニのタピオカミルクティーを飲んだら体調不良を起こした”という40代の女性の発言が話題となった。タピオカを黒く着色した添加物として、「着色料(イカスミ由来)」と表示があったといい、イカアレルギーの女性は、それに体が反応した恐れがあると推測される。

 工業的に作られた着色料に比べ、安全なイメージが強い天然由来の着色料だが、体質によっては微量でもアレルゲンとなりうる。消費者問題研究所代表の垣田達哉さんはこう話す。

「消費者庁も、コチニール色素によるアレルギー症状の注意喚起をしています」

「コチニール色素」とは、サボテンに寄生するエンジムシを潰して乾燥させたものが原料で、赤ウインナーやかまぼこ、かき氷のシロップなど赤く着色したい場合に多用される。

「天然系の色素ですが、アレルギーを引き起こす可能性があるため、特に子供がいる家庭では気をつけた方がいい。最近では、『コチニール色素』の名前を知っている人が増えてきたことから、主成分であるカルミン酸に由来して『カルミン酸色素』と表示する商品も。どちらも同じ着色料と知っておいて」(垣田さん)

 ちなみに、かにかまぼこには、トマトから抽出したリコピン色素などが使われていることも。赤いからといって必ずコチニール色素とは限らない。

◆パーム油に含まれ、発がん性が確認されたBHA

 食品の品質を保持するために用いられる「酸化防止剤」は、自分が酸化されることで食品の酸化を防ぐ効果がある。マーガリンやスナック菓子など、あらゆる加工食品に使われている「パーム油」に酸化防止剤として添加されているのが「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」だ。

「BHAは、国内での動物実験で発がん性が報告されています。インスタントラーメンのフライ麺は格安のパーム油で揚げているためBHAによる発がん性のリスクがあるが、麺そのものに直接添加されているわけではないので、表示義務がありません」(食品ジャーナリストの郡司和夫さん)

 酸化防止剤には、「ビタミン」が使われることも多い。ビタミンCなら「L-アスコルビン酸」や「V.C」、ビタミンEなら「トコフェロール」や「V.E」と表示されることも。決して栄養目的の成分ではないことを覚えておいてほしい。

※女性セブン2019年9月26日・10月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン