【ぽん多本家(上野)】
宮内庁ゆかりの「カツレツ」(2700円)が味わえる
宮内庁大膳寮で腕を振るっていた島田信二郎氏が1905(明治38)年に創業したこの店のカツレツが、とんかつの発祥といわれる。一般でいうロースカツだが、脂身を落として赤身の部分のみを揚げる創業時からの調理法は、他店と大きく違う。今でもカツレツの名にこだわる所以だ。
豚肉が本来持っている、あっさりした味わいを引き出すために、糖分の低い、やや粗目のパン粉にくるみ、120度から徐々に温度を上げて揚げていく。
何もつけずに食べても、豚肉の甘味が口の中に広がり、香りがスッと鼻から抜けていく軽やかな食べ心地で、女性でもぺろりと平らげられること請け合いだ。
「ぽん多本家」は創業114年
●住所/東京都台東区上野3-23-3
●営業時間/火~土:11時~13時45分(L.O.)、16時半~19時45分(L.O.)、日・祝:11時~13時45分(L.O.)、16時~19時45分(L.O.)
●定休日/月
◆撮影/岩本 朗、内海裕之、中庭愉生
◆取材・文/小野雅彦、上田千春、戸田梨恵、岡野誠
※週刊ポスト2019年10月4日号