金銭やスケジュールの管理ができない人や、約束を守れない人、言葉遣いが稚拙な人はその時点で相手にされないため、“オタ活”自体が円滑にできないのだ。言い換えれば、オタク仲間に恵まれ、しっかりとオタ活を満喫している人であれば、社会人として不足はないということ。
その証拠に、同書に登場するオタク女子たちは、オタ活時間を確保するために、常に職場でも円滑なコミュニケーションを欠かさず、“愛され社員”でいる努力も惜しまない。その上で、持てるオタク力を総動員して「誰にも文句は言わせない」とばかりに成果を上げ、大手を振ってオタ活に出かけているのだ。
「子供の頃からオタク活動に勤しんでいると、イベント会場やSNSなどで大人のオタクの人たちから言葉遣いや態度について学ぶことも少なくありません。描いた絵を褒め合うなど、オタク同士のコミュニケーションは常に相手を立てる文化なので、そこになじむことができている人なら、若い頃からきちんとした言葉遣いに加えて、空気を読んでふるまう能力が身についていると思います」
ほかにも、学生時代からホームページ作りやチャットに勤しんでいる人が多いので、新卒の時点で簡単なプログラミングやブラインドタッチを習得していたり、ネットを使ったリサーチ能力が高かったりと、今の社会人として求められるスキルが“デフォルト”で身についているオタクが少なくないと、ユッケさんは分析する。
好きなことに全力投球で生きているからこそ、オタ活への高いモチベーションと圧倒的な「オタク力」で、職場でも活躍できるのだ。
もしあなたの職場に「仕事はできるけど、今日も定時で帰るのか…」という人がいたら、きっとこれから大切な“推しごと”に向かうオタクなのかもしれない。
「ただし、ストレートに『家でアニメ観るの?』などと聞いてしまうと、相手が繊細なタイプのオタクだった場合、少しだけ傷つけてしまう恐れもあります。仕事に支障が出ていなければ、詮索はほどほどにしてあげてください…(笑い)」