だが、後半18分に逆転トライを決めた福岡堅樹選手は、試合後に自身のツイッターで「奇跡なんかじゃない!」と必然の勝利を強調。
一夜明けた29日、記者会見した日本代表のリーチ・マイケル主将は、勝利の要因を「勝ちたいというメンタリティーと、勝てるという自信が一番の勝因だと思います」と、淡々とした表情でコメントした。
最初から負けると思って試合に臨む選手はいないが、彼らには試合前から勝てるという自信があり、勝てるだけの実力があると思っていたのだ。厳しくきつい練習を重ねてきただけでなく、メンタルスキルも磨いてきたのだろう。
「勝てる」と自分で表現をする事は、勝利を掴むための重要なメンタルスキル「ポジティブセルフトーク」だ。自分にポジティブな言葉で語りかけることによって、自身の肯定的なイメージを広げ、感情や思考をマネジメントし、自信を強化するためのスキルにつながる。テニスの大坂なおみ選手が、試合中にミスをした後、自分に何かをつぶやくのもこれだ。「自分たちは勝てる」「やれる」と口にすることが、勝つためには必要なのだ。
リーチ・マイケル主将は、会見で次の試合に向けこうも言っていた。「勝てると信じて下さい」
人は他人から期待されるとそれに応え、期待通りに成果を出すという傾向がある。この心理的効果は「ピグマリオン効果」といわれる。ラグビーファンもメディアも、「日本代表は勝てる」と期待し、勝つと信じることが、彼らの勝利を後押しすることにつながる。
あと2つの試合を必然の勝利で飾り、是非とも8強入りを決めて欲しい。