◆サプリを積極的に摂り、健康に貪欲だった母
母は昔から、積極的にサプリを摂っていた。
今でも忘れられないのは、私が4~5才の頃のこと。当時、母は30代でビタミンCのサプリをのんでいた。缶に入った顆粒をスプーンで口に入れるもので、私も試させてもらったが、甘酸っぱいレモン味で舌の上でスッと溶ける。今はよく似た菓子もあるが、当時は何か神秘的でドキドキしたのを覚えている。母はなぜかそれを押し入れに隠していて、時々こっそりのんでは、「もっと美人になる秘密のクスリよ」とうれしそうに笑っていた。50年前の主婦も、必死に美白を追求していたのだ。
私が社会人になった頃には、クロレラとビール酵母にハマっていた。父と私に「健康じゃなきゃ、何もできないのよ! ママの言うことを聞いてのみなさい!」と、いろいろな健康情報も盛り込んで、よく説教していた。
その“脳にいい”サプリも、母なりに自分の老化や人生設計の中で探し求め、これぞと摂り入れたのかもしれない。
今はサプリの名前を聞いても思い出さないほど認知症が進んだが、それでも街を歩けば認知症関連の本に目を留め、予防体操の本を買ったりもする。今より“もっと”健康にと、思い続ける姿勢が母のいいところ。案外、これがいちばんの健康法かもしれない。
※女性セブン2019年10月17日号