大関に復帰する貴景勝も千賀ノ浦部屋(写真/時事通信フォト)
かつてはなかった“かわいがり方”も登場している。
「千賀ノ浦部屋では貴ノ富士の双子の弟・貴源治が新弟子に“自分は頭が悪いです”と言わせてポーズを取らせ、スマホで撮影していた。動画を繰り返し再生していたぶるのです」(同前)
近年、相撲部屋の環境が変わっている影響もありそうだ。元力士が証言する。
「関取まで出世すると自覚を持つ人も少なくないが、タチが悪いのは幕下の兄弟子たちのイジメ。かつては、関取衆も部屋のなかの個室で生活するのが当たり前だったのに、近くのマンションなどで暮らすことが増えた。夜は幕下以下の力士ばかりになって、止める人がいなくなってしまう」
貴ノ富士は会見で協会の暴力根絶の取り組みについて、「手を出さない代わりにどう指導していったらいいのかは教えてもらっていない」と主張したが、苦しい釈明である一方、実情の一端を明らかにした言葉かもしれない。
※週刊ポスト2019年10月18・25日号