現在、同センターが保護するのは、迷い犬、親からはぐれた子猫、捨て猫、「飼えなくなった」と持ち込まれる動物など。
しかし「殺処分しないから安心」と持ち込んでも、簡単には引き取ってはくれない。
「ペットは終生飼っていただくのが基本ですから、まず終生飼っていただくために切々とお話をします。その上で、どうしても所有権を放棄しなければならない事情があると判断した場合は、新しい飼い主を探すノウハウなどをお伝えします。ですから、1本電話が入ると1時間話しているなんてことがよくあります」
新しい飼い主として引き取りを希望する場合でも、飼育前講習会、個別面接を経て譲渡の可否を決定、3回目の来訪でようやく譲渡という手順を踏まねばならない。
「2013年以前の数年、獣医師たちは自分の手で一匹一匹、麻酔で眠らせ、心臓を止める薬を投与していました。もうあの頃に戻りたくない。とにかく最期まで飼ってあげてほしい。それだけが願いです」
※女性セブン2019年10月31日号